SHINGO KURONO

1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

「アポロのピンクのところと茶色いところを分けて食べたら意味ないよね。」

昨日、「アポロのピンクのところと茶色いところを分けて食べるとおいしいよね。」ということを書いたところ、それではアポロの意味がない、2トーンに分かれたあの富士山のようなかたちのかたまりを一緒に食べることで生まれるハーモニーがアポロをアポロたらしめている、という厳しいことばをいただいた。
そう言われてみたら確かにその通りだった。僕が”おいしい”とおもっていたのは味ではなくて、きれいに割れたら嬉しいというだけのことだったのかもしれない。それはサンドイッチのパンとレタスとハムを別々に食べ、おにぎりの海苔と米と梅干しを分けて食べるようなことだった。
そう考えると、きのことたけのこはチョコとプレッツェル部分を分離して食べていたし、オレオもまず2つに分けて、先に白いクリームを食べ、そのあとに黒いクッキーを食べていた。どら焼きに関してははがしたあとにあんこを取り除き、カステラのような部分だけ食べていた。それは全部ただ分けたいだけという欲求を満たしているだけで、”おいしい”とは違うことだったのかもしれない。

キットカットは割らずに食べるほうが贅沢だよね。
Shingo Kurono