• Daisuke Ogawa

    ◉小川 大介 “aizulover” 1985年生まれ、福島県会津若松出身。ふくしま広報係。妻と娘と3人住まい。公益財団の事務局員。25以下の学生クリエイターを奨学金で支援しています。日経新聞より、ほぼ日を愛読している。 身の回りのものは、だいたいほぼ日で出来てます。 ▶︎Instagram https://www.instagram.com/aizulover/

現代の居場所、コミュニティをつくる上で大切なこととは?

最近読んだ本について

コルク佐渡島庸平さんの著書「WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE.

「はじめに」より引用。

『宇宙兄弟』の中にこんなセリフがある。
「We are lonely,but not alone.(我々は孤独だが、一人ではない)」
このセリフは、宇宙で一人漂う宇宙飛行士が発するものだ。しかし、たくさんの人間に囲まれていても、lonelyにはなる。どうすれば、not aloneになれるのか、コミュニティについて考えながら、探りたいと思う。

一読し、これは「コミュニティの言語化」への挑戦だと思いました。
「コミュニティ」というものについてあらためて考えるきっかけとなります。

この本を読むと、「コミュニティ」とは当たり前のものとして、知ったつもりになってしまっていたことに気づかされます。
今、そしてこれから「コミュニティ運営」について考えたい人には、まず手にとって欲しいと思いました。

また、著者である佐渡島さん自身も、コミュニティの健全な運営について、明確な答えを出すわけではなく、自身のコルクラボというコミュニティ運営を通じて考えて試行錯誤してきたことを、この本を通して整理をしているという感じがしました。

内容はまだまだアップデートされていくと思いますが、気づきを言語化しているという点ですっきりする部分が多くあります。

ぼくが、内容の中で、特に印象に残った3つのワードがあります。

1、「情報爆発」

2、「安全・安心」

3、「余白の存在」

それぞれについて、順を追って説明していきましょう。

1、「情報爆発」

本の中で、現代は「情報爆発社会」に近づいていると定義されています。
これは、デジタルデータの大量な送受信が可能となり、自分のとるべき情報が埋もれてしまうといった状況のこと。

(本文より)
総務省が発表しているデータによると、2002年のインターネット全体の情報量を10とすると、
2020年は6000倍の6万。社会の中から1冊の本を見つけてもらうのに、
2002年と2020年では、難易度が全く違う。情報が多すぎて、ほぼ伝わらない。

情報が氾濫する社会に生きる中では、取捨選択すること自体に疲れてしまっているし、自分にとって有益で、必要性の高い情報の取り方を日々模索しなければならなくなっていると思います。
自分自身を振り返ってみても、キュレーションアプリは数多く出回っているため「NewsPicks」一つに絞っています。情報が多すぎることは、本当にいろいろ毒だなあと体感しています。

そんな情報爆発社会への対応策(情報のフィルタリング)として、コミュニティの活用が必要になってきているというのが本書の主張。これは本当にそうだと思います。
というのも、自分自身も自然にやっているのですが、本を探すならこのサイト、買い物をするならこのサイト、、、など、これも一つのコミュニティの例ですよね。
レストランを探すなら「食べログ」、料理をする時は「クックパッド」。

今後はますますサービスの「コミュニティ」としてのあり方や、健全性が問われるようになると思います。

で、そこで出てくるのが次のキーワード「安全・安心」の考え方。

2、「安全・安心」

「安全・安心」とは何なのでしょうか?
一言でいうと、「コミュニティの表情と温度感」なのかなと思います。
所属するメンバーが「この空間、場にいてもいいんだなあ」と思えるかどうか。

本書では野球部を例にこのような表現で書かれています。

甲子園を目指そうとしている野球部にとって、野球を遊びでやりたいから練習時間を減らそうと強く主張する人が入ってくると、安全・安心が脅かされる。一方、野球は遊びでいいと思っている野球部に、甲子園を目指さずに野球をやる意味はないと強く主張する人が入ってくると、その場合も同じく、安全・安心が脅かされる。

ここでのポイントは「安全・安心」は共通する概念ではなくて、個人によって感じ方が大きく異なるということ。(これって、今の働き方とかにも通じることのような気がしますが、それを言い出すと長くなるのでここでは割愛します。)
コミュニティの「表情と温度感」は、集まる人によって左右されますし、場を作る側としてはコントロールする必要があります。新たにコミュニティを作りたいから、この場合はこうして・・などと切り売りできない難しさがあります。

ぼくも趣味のコミュニティをいくつか持っていますが、それらにも通じる大事なことだと思います。

・コーヒー
・カレー
・シェイクスピア
・日本酒
・ふくしま
・ランニング
・男声合唱など

これらを選んだり、一緒に活動をする時にも、自然と「安全・安心」のフィルタリングをした上で、自分に合うコミュニティを選んでいるのだと思います。
また、その中で運営側にまわるとなった場合にも、「安全・安心」が確保できる場にしたいと思うでしょう。

この本を読んだことで、自分が所属したり、運営するコミュニティについても、いろいろと考えることになりそうです。
また、コミュニティがこれだけ必要とされている時代において、その場を作れることは、今後非常に重要な個人のスキルになるのではないでしょうか。

趣味や好きなことでつながる「安全地帯」をこれからも作っていきたい。

3、「余白の存在」

最後のキーワードは「余白」です。
以前のエントリーにも書きましたが、ぼくは今、「ほぼ日の学校」という企画に参加しています。
オンライン受講も6月から開講するようですよ!)

そこでは、受講者と講師という「1対全員」のスタイルではなく、受講者も発信し、
ほぼ日スタッフも、時には聴講している別の講師も相互に発信する場が作られています。
あの場がなぜ、おもしろいのか?
そもそもシェイクスピアという題材が一見難しく、佐渡島さんが本書で指摘しているところの「わからないものこそが場をおもしろくする」という要素も多分にあると思う。
それ以上に、実際に授業に出ていて感じるのは、そこに「参加する余地」が残されているからだと思う。

いわゆる学校や塾などの「聞いている」スタイルではなく、
どこか足りないところはこちらから補足してあげようだったり、
新しい企画が持ち上がったらそれやります!だったり、
いろんな方向の「矢印」がでている場だから余計に魅力的なのだと思います。

それを作り出しているほぼ日は、本当にすごいなあといつも感心しています。
完全なパッケージ商品ではなく、参加できる「余白」があることで、受講者も能動的になるんですよね。

完全な納品物を提供するのではなく、
あちこちに余白の見えるものに、どう納得して入ってきてもらうか。
そして、自分ごとで関わってもらうことができるか。

コミュニティマネージャーは、これからの社会にとって、
とても大事な場の設計者として求められていくのだと思います。

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◉小川 大介 “aizulover”
1985年生まれ、福島県会津若松出身。ふくしま広報係。妻と娘と3人住まい。公益財団の事務局員。25歳以下の学生クリエイターを支援しています。日経新聞より、ほぼ日を愛読している。
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