ふるさと納税の本質を取り戻して未来をつくる

ふるさと納税業界に戻ってきた。

先日、CAMPFIREの社内で体制変更があり、ふるさと納税事業を見ることとなりました。
2年前にFAAVO(株式会社サーチフィールド)で日本初のクラウドファンディング型ふるさと納税サイト「F×G(エフバイジー)」を立ち上げて以来、久しぶりにこの業界に戻ってきた感じです。

せっかく戻ってきたことですし、先日Facebookにも書きましたが、改めてブログ形式で書かせてもらっているこちらにも載せておきたいと思います。本気でふるさと納税制度をより良いものにしたいと強く思っています。

脱返礼品競争!思いで選ぶふるさと納税

F×Gのコンセプトは「思いがとどく、ふるさと納税」。
当時、問題視され始めていたふるさと納税の返礼品の高還元率問題をクラウドファンディングの形式で解決しようと専門サービスを立ち上げた形です。

「脱返礼品競争」を全面に掲げ、自治体さんが自らの街の魅力や事業(コト)の魅力をPRし、ふるさと納税(寄付)による自主財源を獲得。そしてそのお金を未来の街のために投資し、街がアップデートされるような仕組みづくりを目指しました。

そしてふるさと納税した人たち(寄付者さん)は自分のお金がその街のどの事業に使われたのか、どう使われたのかが明確にわかるようにと透明性をとことん追求するようにしました。
自分のお金が街のどこ部分に使われて、街がどのようによくなったのか、誰の役に立ったのかが明確にわかると嬉しいですよね。

自分の好きな街に、自分の好きな金額をふるさと納税し、肉や米をもらうだけではなく、街に参加できる仕組みをつくり、ふるさと納税の本質を取り戻していきましょうと全国の自治体さんにお話ししました。

当時、世の中の流れは変えられなかった。

ふるさと納税の返礼品に選ばれることが目的な特産品開発があったり、その商品で売り上げを伸ばすという本質がずれた事業があったり…。「補助金は麻薬である」というAIA木下さんの言葉の背景にもあるように、本質を見直して稼ぐ街をつくる方向に持っていかなければ、自治体さんも事業者さんも一気に倒れてしまいます。

還元率や返礼品の問題でさまざまな議論になっている今、あの時にもっと変えることができていたら。。。と思います。

当時、私は何も知らなかったふるさと納税制度をゼロから学びました。今でこそ認知が広がり総務大臣さんまでもが言うようになった「ガバメントクラウドファンディング」を「クラウドファンディング型ふるさと納税」と少しでも分かりやすくと解説、説明しながら全国各地の自治体さんとお話をすると、

「うちの街は返礼品を拡充するからふるさと納税の金額は上がっていくよ、だからこう言うのは不要。」

「クラウドファンディングを事業に組み込むのは難しいからうちの街はやりたくない。」

いろんな意見がありました。
一緒に取り組んでくれる自治体さんは本当にひと握り。

うちも非営利でやっているわけではないですし、しっかりとしたサービスで価値を提供し、ユーザーさんに喜んでもらい、きちんとお金を稼いで事業として成長させることができるのか、ずっと不安でした。

返礼品を拡充した自治体さん、返礼品を出している事業者さんだけが表から見ればお金を集めているように見え、返礼品でふるさと納税先を選ぶ社会の流れを変えられず悔しかったのが本心です。

まだ間に合う、これからのふるさと納税の未来をつくる。

本質的なふるさと納税を取り戻す。

まだこのキーワードを強く言っていきたいと思います。
私のふるさと納税事業の原点です。
いま、CAMPFIREふるさと納税には「思いがとどく、ふるさと納税」という記載はありませんが、初心を取り戻し、まだ間に合うふるさと納税制度を本質的な、良い制度に持っていきたいと思います。

あなたの街が選ばれる街へ。
ご一緒できる市区町村、都道府県のみなさん、そしてより良い資金循環の仕組みをつくる民間事業者さん、NPO、NGOさん、ふるさと納税の本質を取り戻し、より良いお金の流れをぜひ一緒につくっていきましょう。

2019年、勝負の年になると思います。


照井 翔登(TERUI SHOTO)

ファンドレイザー・コミュニケーションデザイナー。
株式会社CAMPFIREのふるさと納税事業の他、稼ぐ地域をつくるための仕事をしています。
HP:https://www.terui27.jp/

Twitter:@terui27
Instagram:@terui27
Facebook:/terui.shoto


 

□ ANOTHER STORY

山笑海笑

Saki Nakui

山笑海笑

Yutaka Yanabu