音楽家がレッスンをして得られるメリット

台湾に、中国語の語学留学に行きます

こんにちは! ケルトの笛のhataoです。いま中華圏は春節、旧正月ですね。

僕はこの原稿を空港バスの中で書いています。これから、春節まっただ中の台湾は台北に飛び、1ヶ月間、中国語の語学留学をしてきます。

目指すは中国語の最上級検定試験「HSK6級」の取得です(5級まではすでに取得済)。中国語学習を始めた目的は、中国語で音楽を教えたりビジネスをするためでしたが、今ではその願いどおりに仕事で使うことができて、本当に役に立っています。

何年も自営業をしていると、1年間の行動サイクルができます。僕は音楽家ですから、コンサートが忙しい時期は決まっていますし、教室の発表会や、毎年恒例のコンサート企画や、頭が痛い決算……と、大まかな1年の過ごし方がパターン化します。

僕は年末がすごく忙しいので、年明けはポーンと2ヶ月予定を空けて普段とはちがった過ごしかたをするのが好きです。

ここ数年は1月は2週間実家に帰って親と過ごして、2月は海外に行っています。以前はタイのビーチでぼーっとしてみたこともあるのですが、なにか勉強や仕事をしていないと(罪悪感で?)しんどくなる性分のようで、留学は環境を変えるいい方法だと思っています。去年は韓国・ソウルに韓国語留学をしました。

新アルバム『5分間の魔法』発表

ここで皆さんにお知らせがあります。僕ケルトの笛のhataoと、ハープ/ピアノ奏者のnamiさんとのhatao & namiの4枚目のフル・アルバム『5分間の魔法』が1月に発売になりました。

このアルバムは9曲のオリジナル曲と1曲のアイルランドの曲で構成しており、僕が演奏するたくさんの笛の中から木のフルート「アイリッシュ・フルート」と縦笛「ティン・ホイッスル」の2種類のケルトの笛とピアノやハープをメインに、ベース、パーカッション、ストリングスで楽曲の世界を膨らませた作品です。

僕はhatao & namiの最高傑作! と自負しています。ぜひ作品を聴いていただき、これからのライブ・ツアーでお会いできれば嬉しいです。

CDの試聴や注文はこちら

http://hataonami.com/discography.html

収録曲「幸せの種」のPVはこちら

 

音楽教室のすごいメリット

さて、前回は音楽を教える方法として、街の音楽教室と自宅を紹介し、それぞれの特徴をご説明しました。今回は、音楽家が音楽教室をすることの、金銭面以外のメリットについて考えてみます。これを読むと、音楽家はむしろレッスンしないほうがデメリットのように思えてくることでしょう。

 

・経歴が豊かになる

前回の投稿で、カルチャーセンターなど公的な施設での講師経験は、経歴に書くことができると述べました。

「○○音楽学校講師」と行った肩書で、それが一般に名の通った会社や学校であれば、特に年配者からの評価は上がるでしょう。

世間には音大出身者ではない音楽家やクラシック以外のジャンルの音楽家に対して偏見を持っている方もいるようですので、ポップスやロックを演奏する人であれば、講師という肩書は「意外としっかりとしているんだな」と感じてもらえることと思います。

勤め人ではない音楽家に対して世間知らずのように見る方もいるでしょうから、企業が音楽家に演奏依頼する際にも、音楽講師という肩書は安心材料になるでしょう。

・生徒とのつながりが生まれる

これが僕にとっては一番大きなメリットです。

人気のある音楽家だとしても、お客さんとの交流の機会は意外と少ないものです。コンサート後はお客さんはすぐに帰ってしまいますし、CDサイン会や記念撮影くらいしか、交流ができません。それに、舞台の上の人とそれを見に来る大勢の観客の一人という立場は、対等ではありません。

しかし教室を通じて出会った生徒とは、お互いに1人対1人の大人として、年齢・性別・職業や社会的な地位を超えて交流することができます。もちろんレッスン時間内は講師と生徒という立場ですが、その前後のちょっとした雑談はお互いにとって楽しい時間になりえますし、教室を通じて、プライベートな友人にはいないタイプの面白い人に出会うこともあるものです。

日常生活で年齢も職業も全然違う人と友達になることは難しいですが、音楽教室でしたら共通の話題がありますし、より自然に近づくことができ、絆が生まれやすいのです。

・考えが整理され、知識が増える

成長にはインプットすることと同時に、アウトプットすることが大切です。特に新しい知識や技術を身に着けたら、それを人に教えることで記憶が定着する効果があります。僕の場合は、音楽を習得する過程でシステマティックに分析して練習をしてきたため、新しい知見を生徒に伝えることで明瞭に言語化されていきました。

また、生徒にとって必要な知識や技術をレッスンで繰り返し教えることで、説明のしかたや練習方法の組み立て方が洗練されていきました。

教え方が最初から上手な先生は少ないでしょう。なぜなら自分が演奏することと人に演奏を教えることは全く別だからです。たとえば自分に簡単にできたことなのに、生徒にとっては難しいことがあります。その時に分かりやすく教える方法を考えて、繰り返しレッスンで試してみるのです。やがて経験が蓄積し、知識が体系化され、教え方が上手になってゆくのです。

・知らないことに気付かされる

生徒から思わぬ質問を受けたり、教えた内容について理由を聞かれたりすることがあります。それまで無意識で行っていた動作や、深く考えたことがなかったことを改めて考えたり言語化する機会になりますし、即答ができない質問は宿題として持ち帰り、次回までに調べることがあります。

・「型」ができる

何百人と教えていると、生徒それぞれの要求や練習スタイルに傾向があることがわかってきます。そうすると問題に対する原因や対処法をパターンとして整理し、効率的に教えることができるようになります。また、受ける質問もある程度の傾向があることが分かります。

・自分の練習にもなる!?

音楽教室では、口で言うばかりでほとんど実演をしないスタイルの先生もいるようですが、僕は基本的に生徒と合奏して教えるのが好きです。生徒の緊張がほぐれますし、合奏することが楽しいと思うからです。音楽を言葉で伝えるよりも見て・聴くほうが圧倒的な情報量になりますから、生徒の上達のためにもなると信じています。

レッスンは基本的に生徒のための時間ですが、同じことを毎日毎時間繰り返していては講師も飽きたり集中力が途切れたりします。そういった時は合奏の際に、レッスンの妨げにならない範囲で、自分の練習も兼ねて教えます。
例えば音色や発音やダイナミクスやタイミングなど、色々なポイントを意識して演奏したり、時には模範演奏として3分程度、ソロで演奏を見せています(生徒には、贅沢な時間でしょうね)。

音楽家はレッスンばかりしていると下手になると聞きますが、レッスンの時間を自分の練習の時間としても活用することもできるのです。

教えることによって自己成長する

音楽家、音楽講師として成長するには、教えることは避けては通れません。感覚で音楽をやっていて、教えるのが苦手だと思っている方や、教える自信のない方も多いでしょうが、まずは友達やライブのお客さんでも良いので、楽器を教えてみてください。きっと、色々なポジティブな発見があることでしょう。

次回は、教えることをビジネスにどうやって活かすのかについて、お話します。

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