深夜1時。
ちょっとのつもりが取り返しのつかないぐらい髪を切ってしまい後悔した高校時代。
翌朝の目覚めは最悪だった。
詳しい名前は忘れたが、「なんとか2001」というシャンプーを使うとすぐ伸びるからと勧められた記憶がある。
当時の僕には高いシャンプーだった。本当に真剣だったのでトリートメントも買った。
しかし実際はよく分からなかった。
1日に約0.35mm伸びると言われる髪。
植物の成長を撮影するインターバルカメラのようにニョキニョキ伸びろと思う日々。
しかしそんな事もいつの間にか忘れ、また伸びた髪を切りたくなった僕は深夜1時、
ちょっとのつもりが取り返しのつかないぐらい髪を切ってしまい後悔をする。

若い頃の僕はすぐに大きい変化を欲しがっていたように感じる。
早く仕上げたい、早く結果を出したい、早く評価されたい。
若い頃の僕だけでなく、すぐに変化が分かることだけを探し求める人は多いと思う。
しかし多くの変化というのはそんな今日明日で変わるものではない。
たしかにあらゆる事に「なんとか2001」みたいなもの存在するかもしれない。
それを見つけたら一気に進むみたいな特効薬が。
でも僕は特効薬探しをやめていった。
動かずして手に入れた特効薬は大したことがないのだ。その場限りだ。
あったとしてもいつもコツコツの努力の先にちゃんと現れたりする。
歳を取る度に時間が過ぎる速度がどんどん早くなっていく。
コツコツやっているといつの間にか始まっている(終わっている)
「なんとか2001」を探しているうちに2016になってしまう。
あ、2016ももう半分経過する。
やばい。
特効薬どこ。