絵本作家のエリック・カールさんが他界されました。
有名な絵本「はらぺこあおむし」他数々の名作を残されたエリックさん。
その数は実に40作以上だとか。そのどれもに共通するのが色彩豊かなコラージュ手法の素晴らしさ、そして心がぎゅっと温まるストーリーの数々。
「絵本の魔術師」と言われたエリック・カールさん
「絵本の魔術師」と言われたエリックさんの作品はとにかくカラフルで目に楽しい。製作する時、絶対に楽しい気持ちをも一緒にコラージュしてるはず!って思うくらい見てるだけでハッピーになってくる作品ばかりです。
Gomaにとってはエリックさんは幼い頃から知ってた有名な絵本作家さん。でも大人になってからいろんな企画でエリック・カールさんの「はらぺこあおむし」とコラボレーションすることができたのはとても幸運でした。
この写真は「はらぺこあおむし」の生誕50周年を記念して、ある雑誌でそのイメージ作品を作ったもの。50の数字の色使いにエリックさんの遊びココロを詰め込みました。
こちらははらぺこあおむしのムック本。中ではページに合わせてお菓子や料理を製作。
エリックさん作品をトリビュートということで、コラージュも習って切りはりしたページたち。
作った食べ物も一度出力したものをコラージュ素材の一つにしました。
モノを作ることの楽しさを最大限知っていた人
久しぶりに作品を引っ張り出してきたら、この時の製作の楽しかった時間が戻ってきました。
大好きな作家さんやアーティストに共通して感じるのは、「モノを作ることの楽しさを最大限知っていた人」と思えること。自分の持てる限りの力を発揮するだけじゃなくて、きっとみんなその行為自体を自分自身が楽しんでいたはず。
そうでないとこちらに伝わってこないから。
最後に、友人から伝え聞いたエリックさんの幼少時代のお話です。
第二次世界大戦中だった彼が幼い頃、ドイツの街は爆撃機から目立たないよう、すべてが灰色だったと話していたそうです。
ですが12歳の頃、美術の先生がその頃ヒトラーに抑圧されていたピカソやマティスの色あざやかな絵をこっそりと見せてくれて、
「君は自由に絵を描けばいいんだ」
と、言ってくれたそう。その事が心に残り、色が自由と平和のシンボルとして心に穏やかさをもたらしてくれると思えるようになったのだとか。
灰色の街と、時代と、気持ちを知っているからこそ、彼の絵には自由と愛と創造の喜びが溢れているのかもしれない。
そう考えると、絵本を読む時にエリックさんの自由と平和への想いをも伝えられているような気もします。
私たちの子どもへ、またその子どもへ、その想いも伝えていけますように。
心からご冥福をお祈りいたします。
エリック・カールさん公式サイト(日本)→https://www.theworldofericcarle.jp