hatao

ケルト&北欧の笛奏者、音楽教師、音楽教材著者、楽器店経営者。 ハープと笛のhttp://hataonami.com、ケルトの笛屋さんhttp://celtnofue.com 演奏、教育、普及で音楽を広める。18年京都烏丸錦に、19年東京都ひばりヶ丘に日本初ケルト音楽専門の楽器店を開店。En한中 3か国語学習中。

スモールビジネスの効率を高めるコミュニケーション・ツール

こんにちは! ケルト音楽専門の楽器店「ケルトの笛屋さん」を経営している、フルート奏者のhataoです。この連載では私のようなスモールビジネス経営に興味のある方に向けて、私の経験やアイデアを発信しています。

先月の連載ではスモールビジネスで使われる各種コミュニケーション・ツールについて書きました。旧来の手紙、ファクス、電話という伝統的な手段に加えて、最近はビデオ通話、チャットアプリが一般的になりました。

今回は、弊社の社内外との連絡に愛用しているコミュニケーション・ツールについてお話したいと思います。

社内編… Slackがおすすめ!

弊社では一切の社内の連絡はSlackを使用しています。

Slackの良い点は、テーマごとに「チャンネル」が設定できることです。LINEなどでは複数の話題が同時進行すると読みにくくなりますが、Slackであれば部屋を分けて連絡が可能です。また、各種ファイルをアップロードでき、LINEとは異なり保存期間も無制限です。検索性が良い点でも助かっています。Slackには様々な拡張機能もあるようですが、弊社では無料プランでも十分に活用ができます。

コミュニケーション・ツールではありませんが、データの格納場所としては、共通のGoogle Driveに全員がアクセスして利用しています。コミュニケーション・アプリとの相性もとても良いです。

オンライン会議ではLINEを併用しています。ビデオ通話サービスはZoomを代表に様々ありますが、Zoomの無料プランには制限時間があるためです。一方でZoomでは通話内容を保存できるので、記録に残す必要があればZoomのほうが良いでしょう。

緊急時以外には電話は使用しません。前回の連載でも書いたとおり電話は相手の都合おかまいなしになってしまうため、スタッフのプライベートを尊重する弊社では極力、電話はかけないようにしています。

仕入先編 … チャットアプリをビジネスに活用

輸入ビジネスを営む弊社にとって、仕入先との連絡はEメールが主流です。Eメールは世界中の誰もが持っており、時差を気にせず連絡を取り合うことができ、記録が残ります。Eメールに変わる便利な連絡手段は、少なくとも私が現役の間は生まれないだろうというほど重宝しています。

また、外国語でのコミュニケーションは通話では難しい場合がありますが、Eメールであれば翻訳アプリを利用して外国語でのやりとりもストレスなく行うことができます。最近はDeepLなど、翻訳の精度も非常に高くなりました。

Eメールの不便な点は相手に届いているのか確認ができないことと、チャットアプリや電話に比べてレスポンスが遅いということです。短文でのやりとりでも、一往復するのに2日以上かかる、ということがあります。返信のタイミングが相手任せなので、のんびりとしたツールです。

欧米との取引先とはまだまだEメールでのやりとりが中心ですが、中国の取引先とはチャットアプリWeChatを使っています。WeChatの使い方は、日本のLINEと良く似ています。データの送受信も可能です。ただし既読の機能はありません。

チャットアプリの良い点はとにかく速いことです。なにか連絡を取りたくなったらすぐに取引先にメッセージを送ります。レスポンスの速度は相手次第ですが、中国人は日本人よりも反応が速い印象があります。

例えば商品を注文する場合、A「発注」→B「請求書の送付」→A「支払いの連絡」→B「出荷の連絡」で、最低2往復のやりとりは必要になります。私の感覚では、Eメールであれば、これだけで1週間程度かかります。しかしチャットアプリであれば、数時間で完結させることも可能です。チャットアプリでのやりとりから新商品のアイデアが発展したこともありましたが、このようなスピード感はEメールでは難しいでしょう。


日本ではチャットアプリはまだプライベート用という印象があり、会社の公式な取引で使われることはないでしょう。しかし、今後は取引にもチャットアプリを積極的に活用して、ビジネスのスピードを高めた企業との差は開いてゆくと感じています。

顧客対応編 … 電話は廃止

弊社では顧客対応では電話を廃止しました。店舗でも電話番号は公開していません。私が電話を嫌う理由は前回にも書きましたが、あまりに非効率だからです。私も客としてカスタマー・サービスに電話をかけることがあるのですが、ちょっとした問題でも1時間費やしてしまうということが起こりえます。また、自動音声案内の「ナビ・ダイヤル」ほど急いでいる利用者をイラつかせるものはないと思っています。

弊社では実際、電話を使えない事情もあります。各店舗は店長一人だけで運営しているため、店長が電話対応をしてしまうと、ご来店したお客様への対応ができなくなってしまうのです。

通信販売業者は特定商取引法によって販売者の情報掲載が求められています。取引額が少なかった頃は代表電話として私の携帯電話番号を公開していたのですが、私が海外にいることが多く電話がつながらないため、かえってお客様に不信感を与えてしまうおそれがあると感じ、代表電話も非公開にしました。

弊社のメインツールはEメール、LINE@です。LINE@は個別のお客様との連絡の為だけに使っており、こちらからダイレクトメッセージを送るようなPR活動はしていません。理由は、私自身がLINEで宣伝をされるのを嫌うからです。

今やほとんどの人はメールを使うことができるので、電話を廃止したことによる問題は今のところ起きていません。当時は思い切った決断でしたが、良かったと考えています。

以上、スモールビジネスを営む私が利用しているコミュニケーション・ツールをご紹介しました。

スモールビジネスは生産性を高めることで少人数でも大きな成果が挙げることができます。そのためにはコミュニケーションの速度と効率が鍵となります。何か参考になることがありましたら幸いです。