さなえごはんの定番夏パスタ-冷製カルボナーラ-[レシピ#7]

「イタリアには、冷製パスタってないらしいよ」というのは、よく聞く情報。

トマトとバジル、にんにく、オリーブオイルを合わせただけ、というような火を通さないソースに、茹であげパスタを入れて和える「クルダイオーラ」という常温に近いものはあるものの、「パスタを冷水で冷やす」という調理法は存在しないそうです。

そばやうどんなどの自国の麺類も、温めたり冷やしたり、つゆに入れたり別添えしたり、創意工夫を凝らして楽しむ、まさに日本人らしい変化のさせ方だなぁと感心します。

しかしイタリア人には悪いけど、夏も後半に差し掛かかって暑さによるダメージも溜まりまくってますのでね。
冷えたおいしいパスタ、食べたいぞ!

というわけで、数年前に思いついてから毎年作っている夏のお楽しみ、「冷製カルボナーラ」のレシピをお届けいたします。

 

■冷製カルボナーラ

冷製カルボナーラ


・材料(2人分)

冷製カルボナーラ材料

パスタ 140g
*1.4mm以上の太さのもの

卵黄 2個分
生クリーム 50g
粉チーズ 大さじ2
*可能なら、塊からすりおろすのがおすすめ

生ハム 2枚
*ベーコンの代わり。できれば国産ラックスハムではなくプロシュートやハモンセラーノで

塩 適量
黒こしょう 適量

 

◀Let’s cook!

①ソースを作る。
パスタを茹でる鍋よりひと回り小さい片手鍋に、卵黄と粉チーズ、生クリームを入れて混ぜ、塩で調味する。

②パスタを茹でる。
鍋に湯を沸かし、海水くらいのしょっぱさになる塩(分量外)を加えてパスタを茹でる。
茹で時間は表示通りに。

③ソースの鍋よりひと回り大きいボウルに氷水を作る。

④ソースの鍋の底をパスタを茹でている湯にあて、ゴムベラで混ぜながら湯煎する。とろみが出たら、氷水が入ったボウルに鍋底をあてて冷やす。
湯に長く当てすぎると、卵黄が固まってくるので注意。

⑤パスタの茹であがり時間が来たら1本取り、水で冷やして固さを確認する。芯が残っていなければざるにあけ、氷水でしっかり冷やす。

⑥パスタをキッチンペーパーで包み、絞るようにしっかりと水気を取る。

⑦パスタをソースでよく和えて器に盛り、生ハムをトッピングして黒こしょうをふる。

 

カルボナーラを冷製で作ってみたいと思い、レシピの中で火を通さなくてはいけない箇所を下記のように置き換えたレシピです。

・ベーコンを炒める→生ハムを添える
・ソースを火にかけたり熱々のパスタで和えたりして、熱によってとろみをつけて卵黄の生臭みを除く→湯煎したのち冷やす

初めて作った時、すんなりおいしくできたので若干興奮したのを覚えています。

 

冷製パスタをおいしく作る最大のポイント

それは、なにはさておき「水気をしっかり取る」こと。

キッチンペーパーでちょっとふき取る、とかではなく、全体を包んで水気がなくなるまでぎゅーっと絞ります。

冷製パスタの水気を絞る

かったいおむすびを握るくらいのいきおいで。

 

パスタに限らず、料理の不要な水っぽさはおいしくなくなる原因のひとつ。
このように絞ったり拭いたり、料理によっては塩気の作用であとから出てくる水分を取り除くことを気にするとよいです。

 

水気について考えると、キッチン仕事を始めたばかりの頃のまかないで、ヤムウンセンを出して怒られたのを思い出すなぁ。
作り置いて水気が出ちゃって味がぼけぼけなのに、味見をしなかったがために気づかず出していきなり怒鳴られたんだった…(味見もせずに出す時点でダメでしょ)

味見、大事。

 

□ ANOTHER STORY

MASAKO TAKANO

ケルトの笛 hatao

SHINGO KURONO

Saki Nakui