ジャズベースの神様 降臨

_ついにこの日がやってきた。

8月14日りゅーとぴあコンサートホールに、ジャズベースの神様、ロン・カーター氏降臨する。

そして、三味線とベースの奇跡のコラボレーションが実現した。客席は圧巻のスタンディングオベーションとなり、夢のような時間は、風のように過ぎていった。今回は、そのコンサートの裏話を少しご紹介しようと思う。

 

_前日の8月13日(土)、関東地方に台風接近中との情報。
フライトの着陸時間とほぼ一致する。成田到着予定が、他の空港に着陸変更となれば、翌日のコンサート開催は危ぶまれる。心臓に悪い。

成田空港のフライト情報の電光掲示板に目をやると、30分遅れとの情報。ひたすら、成田到着を待つ。無事、arrivedとの掲示をみた瞬間、ホッとした。あとは、到着ロビーにて、ずっと会っていなかった恋人を待つような心境で、ロンさん一行をお待ちした。

到着から約1時間後、黄色いキャップをかぶったロンさんが、ギターのラッセル・マローンさん、ピアノのドナルド・ベガさんとともに出口から出てこられた。

Good see you again!!
と硬い握手を交わした。

神様が無事に日本に到着されたことで、もうコンサートの半分は成功したと言っていいだろう。なぜなら、コロナ禍、台風直撃、他にも様々な困難をギリギリのところで乗り越えてきたのだから。成田から新潟まで、まだ長い移動が残っているが、ロンさんを無事に新潟のホテルに到着するまで、細心の注意を払って、交通移動をした。

新潟のホテルに夜10時頃到着して、チェックインを済ませ、Have a good nightと一息つくことができた。
私もその後、自宅に戻ったが、朝までほとんど眠れなかった(笑)。

本番当日は、午前5時に起床して、午前8時にりゅーとぴあ入り。
早朝より、新潟照明技研の皆さんが、素晴らしい舞台セットの仕込みをしていた。

まずは、第一部史佳コーナーのリハーサルが順調に進む。

その後、いよいよロンさん御一行がりゅーとぴあに到着。楽屋口では新潟高橋竹山会の皆様が、盛大は拍手で歓迎した。ロンさんも、このサプライズにはびっくりして、黄色いキャップを脱いで、深々とお辞儀をしたのであった。とてもチャーミングな一面を持っている。

さて、早速ステージをみてみたいということで、楽屋より先にステージにご案内した。
Wao!!素晴らしいステージだとおっしゃってくれた。

ゴールデンストライカートリオのリハーサルが始まった。ベースをもった瞬間、それまで力を温存していたかのように、圧倒的オーラーを放った。御年85歳にして超人である。客席からリハーサルを聞くことができ、私もしばしリラックスした。

目の前で繰り広げられている光景は、本当に夢のような時間であった。
コンサート本番は、冒頭でご紹介したように、最高の興奮に包まれた。

_コンサート終了後は、新潟市内の日本料理で、打ち上げ会を開催した。
乾杯酒は、菊水酒造の「蔵光」、ロンさんはもちろん、ラッセルさんとドナルドさんも、その深い味わいに感動されていた。ラッセルさんが、このお酒をアメリカに買って帰りたいが、どうしたらよいか?と質問されたので、菊水酒造の高澤社長が、お土産にプレゼントしマス!!とおっしゃってくれた。
皆さん、大喜びで、その後のお酒も大いに進んだ。

このコロナ禍の2年半、菊水酒造の皆様のご支援があって、この素晴らしいコンサートが開催できた。
心より感謝を申し上げたい。
そして、一つの夢は叶ったが、新しいフェーズに突入の予感・・・。

ただ、もう少しだけ、この夢のような余韻に浸ろうと思う。

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