「軽キャンピングカー」の真実をぶっちゃけます②

こんにちは! ケルトの笛奏者で、ケルト音楽専門楽器店「ケルトの笛屋さん」を経営しているhataoです。夏休み特別企画ということで軽キャンピングカー、いわゆる軽キャンパーについて、前回と今回、2回に分けて書いています。前回は軽キャンパーを選んだ理由や、私が購入した「テントむし」についてお話ししました。(前回の記事はこちら

今回は、「テントむし」の使い方、良い点と不満な点についてぶっちゃけてみます。

私の「テントむし」の使い方

コンパクトで取り回しのよいテントむしは普段の買い物や街乗りでも重宝しますが、仕事でも大活躍してくれています。

私の仕事は音楽家と楽器店経営です。以前は演奏旅行に新幹線や飛行機を利用していましたが、車を手に入れてからは音響機材やCDなどのグッズ、お土産をたくさん積めるようになり移動が快適になりました。車中泊ができることも時間的な自由度を上げてくれて助かります。

私の楽器店は京都と東京にあり、大型商品やたくさんの商品を店舗間で転送しなくてはいけない時は私が関西から東京まで車で運ぶこともあります。テントむしは軽トラなので、普通乗用車よりはたくさん積むことができます。商品を運ぶ際には東京でレッスンやコンサートの予定を入れて交通費に充てています。

他にこれまでに2度、出張楽器店をしたことがあります。車に取り付けているサイドオーニング(タープ)を広げてその下にテーブルを置き、商品を陳列しました。また、対面シートにして車内でレッスンをしたこともあります。

キャンピングカーの用途は広く、食品や商品の販売といった仕事やアウトドアなどの趣味にも活用できます。

テントむしの「ベッド」の快適性

キャンピングカーで最も大事な機能は「車中泊ができること」です。テントむしのシートはクッション性があり、マットを敷かなくても楽に横になることができます。夏場であれば枕だけで快眠ができます。ただしポップアップルーフを上げて二段ベッドにする場合は、2階はクッション性が無いのでそのままでは硬くて寝られませんから、私はキャンプ用のエアマットを常備しています。

荷物が多い場合は2階で寝ることもありますが、冬季はポップアップルーフを上げると寒くてたまらないので、荷物を2階に上げて1階で寝るほうが、寒さがマシになります。

テントむしの定員は4名なのですが、大人2名子供2名で、荷物が無ければ2段ベッド各2名(大人+子供のペア)で眠れるかもしれないという程度です。実用面を考えると大人2名がせいぜいでしょう。

私は旅行の際は最小限の荷物だけにして、就寝時のスペースを広く取れるようにしていますが、演奏旅行などで荷物が多い時は運転席と助手席に詰め込んで、それでも収まらないものは2階に載せて就寝スペースを確保しています。

暑さ寒さや雨への対応については、夜暑くて寝苦しい場合はポップアップルーフを上げてメッシュにしておけば風が通り快適です。車内の窓を閉めても快適でプライバシーが確保されます。車内が寒い場合は冬用の寝袋に入れば問題ありません。また、ポーダブル電源を持ち込んで電気毛布やセラミックヒーターを利用すれば快適に過ごせます。防水性はしっかりしており、ポップアップルーフを上げても染み込んでくることはありませんでした。

テントむしの「ギャレー(キッチン)」の実用性

テントむしは簡易なシンクと冷蔵庫を備えており、テーブルを設置して調理ができるのですが、私はお茶やコーヒーを沸かしたり果物を剥いて食べたりする以外では調理はしていません。旅先でご当地グルメを楽しむのが旅の大きな楽しみだからです。

調理して車内を汚したくありませんし、シンクに水以外のものを流すのも気が引けます。今後もっと大型のキャンピングカーを購入するとしても、トイレやバスルームなどの水回りは国内旅行をする限りは必要ないと思われます。


レストランやコンビニがない大自然の中でどうしても調理をする必要がある場合は、折りたたみ式のテーブルと椅子のセットを積み込んで車外で調理するのがベターかと思います。食後に油臭い車内で寝る経験などしたくありませんからね。

テントむしの不満な点は?

前回に書いた通り私はテントむしを購入したことに後悔はしていませんが、不満な点は以下の3つです。

・荷物の収容量が少ない

ひとりの純粋な旅行目的であれば収容量は問題ないのですが、私のように楽器や音響機材を載みながら長期の旅行をする場合はきゅうくつになります。オプションで車の後方にキャリーをつけて大型のコンテナを載せることで収納を拡大できますが、私は大型ハッチを利用するのでキャリーとの共存は難しいです。大型ハッチを付けない方は、コンテナを取り付けることも検討してよいでしょう。

・馬力がない

軽トラはもともと荷物を積んでの短距離での移動に特化しているので、長距離の運転や山道の走行は想定外でしょう。キャビンの重さがあるので動作は遅く、きつい坂道になると40km/h程度まで速度が落ちます。高速道路でも80km/hが良いところで、それ以上にアクセルをふかすとエンジンが悲鳴を上げてしまいます。この利点は、スピード違反で検挙されるリスクはないことです。もしかしたらターボエンジンにするオプションもあるかもしれません。

・振動や音問題

これも軽トラなので仕方ないのですが、乗用車に比べ道路の振動を受けやすく、少々の砂利道でもガタガタと揺れます。またエンジンの真上に運転席があるので騒音が大きく、音楽を聴く際に大音量にしないと聞こえないほどです。私にとっては初めての車だったので最初は疑問に思わなかったのですが、普通乗用車に乗った時にあまりに静かで快適なので驚きました。

ちなみに燃費は、今回荷物をたくさん載せた状態でリッター11kmでした。良いとは言えませんが、大型キャンピングカーだとさらにたくさん消費するのでしょう。

仕事をしながら旅行はできるか

ノートPCひとつあればできる仕事であれば、旅行しながら仕事をするのは完全に問題ありません。


もちろん旅先でカフェなどを利用することもできますが、大自然の中を旅行中であっても携帯電話の電波が入りさえすればスマホからテザリングをしてPCでネット接続ができます。外付けHDDやプリンタなどのPC周辺機器も、車内で電源が利用できます。車内ではテーブルを設置して車内で作業をすることも可能ですが、環境が良ければ車外に折りたたみテーブルを広げて作業することも快適でしょう。

ただし仕事をしながらの旅行は、お勧めできません。私は今回1週間かけて東北から関西まで帰宅する旅行をしていますが、毎日メールをチェックして返信したり、YouTubeやSNSを更新したり、スタッフと連絡を取り合ったりと1時間〜2時間PC作業する時間と場所を確保しなくてはならず、そのために観光に割く時間が減ってしまいます。また、頭の中にはずっと仕事のことがあるため旅行を全力で楽しめず、それでは休んでいるとは言えないでしょう。

ワーケーションやノマドワーカーという言葉が流行りましたが、結局仕事から解放されていないという点で、何も羨ましいことはないわけです。やはり、仕事から完全に離れて旅行を楽しむのが良いと思います。

用途目的をよく考えて、後悔のない選択を

これからキャンピングカー購入予定で軽キャンパーも候補に入れている場合、この記事にあるようなメリット、デメリットをよく考えて検討ください。利用目的次第ではデメリットをあまり感じないこともあるかと思いますので、上記のようなデメリットが気にならないのであれば軽キャンパーはとても楽しい乗り物です。

それではまた次回!

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