金沢カレーの背後で「金沢スパイスカレー」が躍動

今回は、ちょっと脇道に話はそれて、金沢カレーと金沢スパイスカレーについて書いておきます。

金沢カレーと金沢スパイスカレー

いまや全国的に知られる金沢カレーですが、実は、商標登録されておりません。なので、あの独特の仕様のカレーであれば、どのような飲食店でも「金沢カレー」と名乗ることができますが、地元金沢では、レシピと経営の系譜に基づいた店でないと、市民消費者に「認定」されないのです。

観光客の方々も事前によく調べられているようで、その系譜にある金沢カレー専門店に行列がつくのをよく見ます。

ただ、それら金沢カレー専門店は観光エリアとされる市内中心部には3店しかなく、大半の店舗は郊外に立地しています。もともと、もっぱらクルマで移動するビジネスマンやエッセンシャルワーカーを主要な顧客にしているからです。独り客が多いので、店内は、イスがカウンター前にずらっと並ぶレイアウトが特徴です。

金沢カレーがここまで全国区になって来ますと、商標登録されてないこともあって、金沢カレーの名称を冠したお菓子やカレーではない食品が続々登場し、駅ナカなどで売られています。

それらは観光スポットにしかないのですが、かりに市民がお土産売り場でそれら一群の金沢カレー関連商品を見れば、ちょっと面妖な気分に襲われるかもしれません。

 

さて、いま金沢で人気が急上昇しているのは、スパイスカレーの専門店です。

金沢市内に増えるスパイスカレーのお店

金沢市内に増えているスパイスカレー専門店の試作品

金沢カレーは金沢を代表するメニューアイテムとして大きな存在である分、それに対抗するようにスパイスカレーのジャンルが急速に広がっているとも言えますが、その広がりが観光客の増大に比例しているように思えてなりません。

平成末期から金沢では続々とスパイスカレー専門店が登場。『ロイヤルミルクティーと、飄逸』、『ゲッコ洞』、『ムライ食堂』、『アイリーカレーハウス』、『スパイススタンド青春』、『ナナマルカリー』、『Bメロ』の7つが代表的な専門店でしょう。

それら以外にも、数多くのカフェがスパイスカレーを集客の目玉にメニュー化していて、オリジナリティの高い優れたスパイスカレーが陸続として登場しています。

いずれもレベルが高く、それまでのスパイスカレーと言えば市内に多くあるインド・ネパール料理店だったのですが、それらのカレーとは一線を画し、それぞれ競うように創意工夫が繰り出されて個性豊かなカレーをあちこちで楽しむことができます。

そのような競合がいっそうレベルを上げ、地元市民の支持を広げていると言えるでしょう。

 

 

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