SHINGO KURONO

1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

本棚

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なぜかわからないけれどずっと覚えている会話というものがある。

10年前、パリのポンピドゥセンターのミュージアムショップで安売りになった写真集らデザインの本やらを買い込んでいた僕に、当時隣の駅に住んでいた(今は沖縄に住んでいる)ジュンくんが「本って買っちゃうよねぇ。」という不意に出た言葉が結構忘れられないし、

専門学校の先生が言っていた「本は力をくれる。立ち読みじゃダメ。身銭を切って自分の血肉にしなさい。」というのも忘れられない。

ネットの時代になって、紙媒体は減少傾向にあるということがよく言われている。
それでも、ネットの情報や、写真は何か軽い。

紙の集まった塊感、もの感がやっぱり好きだ。
それだから本屋に行くと必ず何冊か買ってしまう。

おかげでその時の気分や、装丁がかっこいいとか、好きな写真家の写真集とか、酔っ払ってコンビニで買った雑誌とか、バラエティに富んだ、まとまりのない本が所狭しと並んで、積み上げられている。
雑誌のスクラップブックというものを昔からずっと作って見たいと思っていたけれど、切るのが勿体無くて、結局スクラップできずにいる。

それこそ埋もれたら窒息死できそうなくらいの量になった。
書棚は人柄が出るというけれど、他の人から見たらどんな人柄に見えるのだろう。

Shingo Kurono