午前1時30分

昼間までの快晴とうって変わって、急にごうごうと風が吹き始めて、大粒の雨がばらばらと降り出していた。
庭の方からがしゃんという音がした。
音の原因はなにかを確かめにみんなで外にバタバタと飛び出していく。

庭に生えている木が途中から真っ二つに折れて、地面に落ちた半分が弟のワゴンに乗っていた。いくら強い風が吹いたとしてもそんな簡単に折れるようにはみえない木だった。
それをずるずると引きずって、地面に横たわらせた。木は小さな実をつけていた。

それにしても昼間は快晴だった。
雲ひとつない青空というのはこういう空のことを言うんだなぁと思っていた。

プップーとクラクションを鳴らして車が出発していくのと同時に、一緒にそれを見送る姪っ子は、急にうわぁっと泣き出した。
さっきまで、春の暖かく、雲ひとつない空のようににこにこしていたはずだった。

・・・

目を覚ますと1時30分だった。
変な時間に寝てしまうと、目を覚ました時にそれが午前なのか午後なのか、もしかしたら日も変わっているのではないだろうか、と思うことがたまにある。

1時30分なのだから午後だったとすれば明るいはずで、窓の外は真っ暗なのだから、午前1時30分に決まっているのだけど、それを理解するのに大分時間がかかった。

フラフラと起き出して、ベランダの窓を開けて外に出る。
風で倒れた灰皿を拾って、煙草に火をつける。
ベランダの階段の下には、さっきの風で折れてしまった木が地面に寝そべっていた。

あぁ、そうだった。そんなことがあったのだった、と思う。寝ぼけた頭では、それが夢だったのかもしれないような気がしていた。

それでも木はそこに倒れていて、それを半分になった月の光が照らしていた。

眠り込んでしまう前は、ごうごうと風が窓を鳴らしていたはずなのに、風も雨もすっかりおさまって、静かな夜がそこにあった。

空に光る星が、ひとつだけ大きく輝いていた。
そのひときわ光っている星を眺めながら、昨日の夜に聴いた、荒城の月が頭の中に流れていた。

Shingo KURONO

□ ANOTHER STORY

SHINGO KURONO

Yutaka Yanabu

MAHOTIM

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