先日、ウエディングプランナーの大会、いい結婚式のプランニングコンテスト「GOOD WEDDING AWARD2018」が今年も開催されました。2011年から始まったこのコンテストは今年で8回目。500組弱のエントリーの中から最終審査に残った8名のプレゼンが繰り広げられました。甲子園にまけないぐらい、熱い夏。年に1度のこの日をとても楽しみにしていました。
「いい結婚式」とは、どんな結婚式でしょうか?
この問いかけを主催者の冒頭の挨拶で投げかけられることから始まるこの大会。本当にいつも考えさせられます。
いい結婚式って、いったいどんな結婚式なのだろう。そしてそんな結婚式を創るプランナーはいったいどうあるべきなんだろう。
今年の発表は、プランナーが新郎新婦の家族の事情や問題、おふたりの人生の悩みや苦悩にとにかく深く深く関わっていく姿がとても印象的でした。関わっていく…というよりは、「関わっていかなければいけなかった」と言った方がいいかもしれません。
もっと言えば、そういった事情や問題、悩みや苦悩に目をつぶったままのプランニングができなくなったんだと思います。
ただ見た目のカタチだけを組み合わせることが結婚式の仕事なのではなく、ふたりにとって、何がシアワセかをプランナーが自分の経験すべてを駆使して対応していく仕事なのかなと。世間からみたときに、このプランナーの仕事って幸せで華やかな瞬間ばかりをお手伝いしているように見えるかもしれませんが、決してそうではないのです。
人間力が試されるこのウエディングプランナーという仕事
これだけ生き方の多様性が認められる時代。人の数だけ、いろいろな家族のカタチがあり、人生があります。そこにいかにして寄り添えるのか?それが例え自分が経験したことのないことであっても、どれだけ同じ気持ちになれるのかが大事なのだと、このコンテストを通して再定義できました。
いろいろなプランニングの話を、熱いプレゼンで聞けました。
一度は心が離れてしまった兄弟を結婚式をきっかけに再生させた話。
結婚式3日前に台風が理由で延期を申し出られた新婦を悩みながらも励まし、熱い想いを伝え解決へと導いた話。
親御様の離婚や別居という極めて個人的でデリケートな話にも目を背けず向き合い、プランナー自身の人生経験すべてを使って新郎新婦を良い方向へと導いた話。
これ、心理カウンセラーの仕事レベルなのでは?と思うほどです。この時代だからこそ、本当に、この仕事は「むずかしい」のだなと、そう思いました。
結婚式はイベントではなく「結婚式」だ
この仕事を続けてきて12年。私はその間に、結婚をして1児の母になりました。この仕事に就いた22歳のころよりいろいろな経験を重ねて今があります。いまの自分だからこそ提案できることがあり、いまの自分だからこそ新郎新婦のチカラになれていることもたくさんあります。
「結婚式はイベントではなく結婚式だ」という言葉は、今回の受賞者の印象的なフレーズですが、この言葉は深すぎて、でも本当にその通りだと思いました。たくさんの経験や出会いを通して出来上がった別の人間が一緒に生きていくことを心に決めて、それを応援する場が結婚式。イベントという言葉では表現できないぐらい、さまざまなものが詰まっています。
「いい結婚式って何だろう」
いつか、「これだ」と思える輪郭のはっきりした答えが出せることを楽しみにしつつ、でも答えのでないこの問いがあるから頑張れるのかなとも。たくさんの新郎新婦とそのご家族と、結婚式に感謝しながらまた明日からがんばろうと思います。
荒井さやか(http://www.ccsw.jp/)
1984年5月21日生まれ。北海道札幌市のフリーのウエディングプランナー。ふたりらしいオリジナルウエディングをプロデュースするCoco style WEDDINGを運営している。結婚という人生の節目に行われる大切な通過儀礼「婚礼」をきっかけに、改めてふたりらしさを引き出しながら今後の人生に役立つ糧を提供することが 私のミッション。
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