先日、銀座のギャラリーでとあるレセプションが行われた。
写真家・相場慎吾さんの初個展である。
ここまでは写真家が個展を開いただけの紹介になるが、彼はとても興味深いバックボーンがある。
「SAINT LAURENT」唯一の日本人デザイナー
慎吾さんは法政大学卒業後、文化服装学院に入学しコンテスト入賞によりイヴ・サンローランやカール・ラガーフェルドははじめとした数多くの有名デザイナーを輩出しているフランスの名門「サンディカ・パリクチュール組合学校」に特待生として留学された。
この時点でもかなりのキャリアであるが、ここからもかなりすごい。
エディ・スリマンがSAINT LAURENT就任後に入社、エディに評価されて直属のデザインチームに抜擢された。
日本人唯一のデザイナーとして活躍している。
ちなみにエディの美意識は尋常じゃなく、少しボタンのいちが遠目から見てずれているだけでも「そんなの見てられないから持って帰って」と手に取らないそうだ。
それぐらいが当たり前と思っていたと話す慎吾さん。
ご自身もやはりミリ単位まで気になるという。
自己の可能性を探求
実は年始にいつもお世話になっているみみおさん(GINZA SIXにある「SIXIEME GINZA」のディレクションを手掛けられている。元TOMORROW LANDクリエイティブディレクター)とのお食事会でご紹介して頂いた慎吾さん。
その時になぜ写真を始めたのかと伺ってみた。
理由は「自己の可能性」だと。
最初はデザインのために部分的な写真をとっていたそう。
そして写真をとるようになり、自己の可能性のために写真家として活動をはじめたそうだ。
洋服のデザインであっても、写真であってもアウトプット方法の違いでしかなく自分の中にあるものを表現する作業なんだろうなと感じた。
少なくとも僕は服もインテリアも大好きだが自分の美意識の表現という似た感覚を持っている。
おこがましいが自分としては勝手に活動をはじめたきっかけが腑に落ちた。
きっと慎吾さんの表現としての写真も美しいものだろうと、ギャラリーに行く前から思っていた。
世界最高水準の世界で戦うデザイナーの写真という表現を実際に是非ギャラリー行って見て欲しい。慎吾さんも時々ギャラリーにたっているそうだ。
【TAKUMI&SHINGO AIBA展「DEVIATION」】
2月2日(土)まで
ART FOR THOUGHT
〒104-0061 東京都 中央区銀座8-10-4 和孝銀座8丁目ビル 1F
—————————————————————
【柳父豊(ヤナブユタカ)】
1989年大阪府生まれ。立命館大学の建築学科卒業後、内装系の上場企業で働く。転職で、お洒落賃貸不動産「R-STORE」や“泊まれる本屋”「BOOK AND BED Tokyo」などを手がける株式会社アールストアに入社。さらにその傍ら複業で”紳士の社交場”をコンセプトとした移動式ミュージックバー「ZIP CODE Tokyo」を共同代表として立ち上げる。
2018年より「WASH&FOLD」を運営する株式会社アピッシュに入社し、現在は社長室室長として勤務する。
これで良いではなく、これが良いという審美眼を日々磨いている。座右の銘は『情熱と欲望と美学』で、ファッション・インテリア・音楽をこよなく愛する。現代の紳士“モダンジェントルマン”になるべく紳士道を追求中。
▶︎Instagram @yutaka_eye(https://www.instagram.com/yutaka_eye/)
—————————————————————