みなさんに質問です。
「入籍しました!」という言い方は、実は厳密にいうと「間違い」ということをご存知でしょうか?
「入籍=結婚」ではない。「入籍」の本来の意味って?
スポーツ新聞でも、芸能人のおめでたいニュースなどを「〇〇ついに入籍!」などと書いているので少々慣用的に使われるようになったのかもしれませんね。
ただ厳密にいうと違うのです。
こちらのHanayume さんの記事に、とても分かりやすく書いてあります。
「入籍」は戸籍法上の本来の意味合いだと、元々ある戸籍に誰かが入ることであり、主に以下の場合に行われる手続きのことを意味します。
・再婚時に女性の連れ子の戸籍を筆頭者である男性の戸籍に変更する場合
・離婚後に子どもの氏を父親から母親の氏へ変更する場合これに対して婚姻における戸籍法においての手続きは元々ある戸籍に入るというものではありません。
それまで親の戸籍に入っていた一人一人がそれぞれ親の戸籍から抜け(除籍)、夫婦二人の戸籍が新たに作られる手続きのことを指します。このことを新戸籍の編製と言います。
つまり、本来の意味では「入籍=結婚」ではないので、婚姻届を提出した時に「入籍した」と言うのは間違いになります。
婚姻届けに「除籍」と記された日
私が婚姻届けを出した5年前、とても驚いたことがあります。自分の戸籍謄本を見ると、自分の名前が籍から「除籍」という表示になっていたのです。
この仕事を長くしていても、なかなか触れることがなかった婚姻届けを出すときの気持ち。
長く家族で一緒にすごしてきた約30年。私の家族は5人家族でしたが、その慣れ親しんだ5人家族から、言葉の通り「除籍されて」、旦那さんと一緒に新しく「籍を作り」「一緒に家族になる」というのが一連の出来事だったと気づいたわけです。
「除籍」という言葉がなかなか衝撃的な言葉で驚きました。もちろん私だけではなく、旦那さんも「除籍」となったわけなのですが、結婚するというのは文字のとおり、新しく家族を作り、これまで過ごさせてもらった籍を抜ける、ちょっぴりセンチメンタルなことなんだなぁと実感したわけです。男性も、慣れ親しんだ家族から除籍されると考えると、なかなか奥深い結婚制度です。
日本の多くの夫婦が男性の姓を新しい家族の姓にすることが多いからかなんとなく「相手の籍に入籍する」と思われがちですが、違うのですよね。
戸籍制度は、実は世界的に見てもかなり珍しい制度
実は戸籍で管理をしているのは、日本と台湾、中国のみのようです。そのほかは個人単位で登録されています。結婚とは家と家との結びつきで、結婚式でも「〇〇家〇〇家」と表記されるのも日本独特のものです。個人同士がつながるのではなく、家族と家族が一緒になる日。日本の婚姻文化はなかなか奥深いなぁと思っています。
今後夫婦別姓が認められるようになったり、LGBTの婚姻など、世の中がさらに動いていくかもしれません。とても気になるニュースです。婚姻を取り扱うものとして、もっともっと勉強していきたいと思います。
そして、結婚式そのものをもっと意味深く、本質的にしていきたいなと思う今日この頃です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
荒井さやか(http://www.ccsw.jp/)
1984年5月21日生まれ。北海道札幌市のフリーのウエディングプランナー。ふたりらしいオリジナルウエディングをプロデュースするCoco style WEDDINGを運営している。結婚という人生の節目に行われる大切な通過儀礼「婚礼」をきっかけに、改めてふたりらしさを引き出しながら今後の人生に役立つ糧を提供することが 私のミッション。
twitter▶ https://twitter.com/araisayaka
Instagram▶ https://www.instagram.com/cocostylewedding/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー