袴の着こなしをアップデートせよ!
春、卒業式のシーズンですね。卒業式のきものといえば袴。私も毎年着付けやスタイリングでお手伝いさせていただいています。
若いお嬢さんの袴姿は、いかにもレトロでかわいらしいですよね。良家のお嬢様風な正統派の着こなしも、ブーツにおリボンでハイカラさん風にしても、どちらもかわいい。
学生の頃は興味がなかったけれど大人になってから袴姿に憧れる!という声はしばしば耳にします。多くの場合、次に続くのは「でもいい歳して女学生コスプレみたいで恥ずかしくて…」というため息。
いえいえ、袴は決して学生さんだけのものではありません!今日は私が普段着に袴をおすすめする理由と袴の自由な着こなしをご紹介します。
卒業式で購入した袴の活用方法にお困りの方もご注目ください!
カジュアル着物好きに「袴」がおすすめな理由
①スカート感覚で穿ける!
袴には大きく2種類あります。スカートのように筒状になっている行燈袴(あんどんばかま)と真ん中が割れていてワイドパンツのようになっている馬乗り袴(うまのりばかま)の2つです。現在女性用として販売されているものは行燈袴が主流です。
袴を穿くときは普通の着物を裾が短くなるように膝丈ぐらいで着付けてその上から袴を穿きます。だからマキシスカートを穿いているような感覚で、着物よりもずっと動きやすいのです!
これは意外と知られていない袴のメリット。着物だと小股でお上品に歩かなきゃいけないのが苦手…という方も袴なら安心です。
②実は気楽な素材が多い!
卒業式用として販売されている袴の多くはポリエステルやウール製。芯が入っているのでご家庭での洗濯は注意が必要ですが、それでも絹よりも数段気軽に着られます。気になる汚れはちゃちゃっと部分洗いできるのは安心ですよね。
③レンタル落ちなどで安価に手に入る!
シーズンオフになるとレンタル店での出番が終わった袴たちがまとまって下取りされるので、ネットオークションやフリマアプリで3000円程度で購入できます。状態のいいものも多いので練習用にまず1着ゲットしてみるのもおすすめ。
④特別な道具は不要!
袴を着るために特別な着付け小物は必要ありません。帯は浴衣の時とおなじ半幅帯なので、袴さえ入手すればすぐに着られます!
女学生にならない!袴コーデのコツ
同系色コーデ
色とりどりで華やかなコーディネートはかわいいけれどイベントっぽくなりがち。全体を2色くらいに抑えればすっきりしてカジュアルに着やすいですよ。
写真のコーディネートは、袴のネイビーに合わせてブルー系とモノトーンでまとめました。
幾何学模様×袴
ストライプなどシンプルな着物と組み合わせればセレモニー感を押さえたカジュアルテイストに着られます。コットンやウールなどざっくり素材の着物もおすすめ!
洋装MIX
インナーにタートルネックやパーカーを着こんだ思い切った洋装MIXスタイルなら、ぐんとカジュアルに。やや上級者向けではありますが、着心地はニットにハイウエストのスカートを穿いている感覚でとっても楽ちんです!
#袴じゃない コーデにもご注目
SNSで人気上昇中なのが、袴のかわりにロングスカートやワイドパンツを穿く「袴じゃない」コーディネート。これなら袴を持っていない人でも手軽に袴気分を楽しめます。洋服よりも胴回りに厚みができるので、ゴムウェストのものや大き目サイズを選ぶのがコツ。
「袴」をすこし身近に感じていただけたでしょうか?
今年は新型コロナウィルスの影響で、卒業式が次々と中止になり淋しい気持ちでいっぱいですが、卒業式で袴をご着用の予定だった皆さまにはぜひ写真撮影などで袴を着ていただいて、お祝いの記念を残していただけたら嬉しいです。