ネットで「きもの」を買うという選択肢
今やネットで買えないものはないという時代。
もちろん「きもの」だってネット上で販売されています。検索したことのある人なら、4点セットなど意外とお得な価格で販売されているのを見たことがあると思います。
でも、きものをネットで買うってなんとなく怖い気がしませんか?
「お店でさえどう選べばいいか自信がないのに、ネットで買うなんてもっと不安…」 今日はそんな方のために、ネットできものを買う際のポイントをご紹介します。
自分が買いたいのは何かを知る!
試しに楽天市場で「着物」と検索してみると、11,511,683件がヒットしました。この中からピンとくるものを探すなんて眩暈がします。
①TPOをイメージしてジャンルを絞る
まずは自分が買うべき着物は何なのかを、明確にする必要があります。いつ・どこで・どんなシーンで着るものなのかをイメージして、きもののジャンルを絞ります。
(着物の格については過去の記事を参照→「○○式」以外で、着物を着るならこんな時!)
着付けの練習用や「特に決まっていないけれどそのうちお出掛けに着てみたい」という方は、まずは「小紋」から始めてみましょう。
②素材を選ぶ
ジャンルが絞れたら素材を選びます。大きく分けると、「絹」かそれ以外。
正統派をお好みの方やお呼ばれの席などで着たい場合は「絹」を。洗濯機で洗えるものがいい場合は「ポリエステルや綿、デニムなど」がおすすめです。
③帯を選ぶ
カジュアル着物の場合、帯は名古屋帯か半幅帯のどちらでも合わせられます。
「名古屋帯」は結ぶのにより練習が必要ですが、きちんとした席でも使えて最も汎用性が高いので覚えておいて損なし。「半幅帯」は最もカジュアルなので遊び着にした使えませんが、浴衣と同じなので気軽に挑戦でき飾り結びなどでアレンジができるのがメリットです。
目指す着姿に合わせて選びましょう。
いざ検索!
①セットで探してみる
今回はお友達とのお出掛けやイベントを想定して「小紋+名古屋帯」の組み合わせと過程します。すでにセットになっているものを検索してみます。「小紋 名古屋帯 セット」と検索してみると、4,211件まで絞り込まれました。この中から自分にぴったりのセットを探していきます。
商品タイトルを見ていくと、「4点セット」「12点セット」など点数に違いがあることに気がつきます。これはどこまでをセットに含めるかで内容が変わるから。どういうことが説明します。
以下は小紋+名古屋帯を着るのに必要なものの一覧です。
・着物
・名古屋帯
・帯揚げ
・帯締め
・長襦袢
・腰紐×4
・伊達締め×2
・衿芯
・帯板
・帯枕
・肌着
・足袋
・草履
こんなにたくさんアイテムが必要なのか!と驚いた人もいるかも知れませんね。
このうち、長襦袢以下は「着付け小物」と呼ばれるもので着たときに外からは見えません。4点セットとなっているものは着物~帯締め、5点以上のセットにはそれ以外のものまで含まれていることがほとんどです。振袖や浴衣用の着付け小物があるという人や着付け小物を別で購入する場合には4点セットから探すのがいいと思います。
(着付け小物の内容も着付けの仕方によって若干変わるので、自分の着付けやこれから参考にする先生の着付けで必要なものを予めリストアップしておくと安心です!)
②仕立て上がりと仕立て付きの違い
探していくと、「仕立て上がり」「仕立て付き」などのキーワードに気がつくと思います。
着物は反物の状態で購入し、自分のサイズで仕立てるオーダーメイド形式が一般的だったので、その名残でオンラインショップでも仕立てを依頼できるところがあります。それが「仕立て付き」や「反物」と書かれているもの。反対に「仕立て上がり」は、一般的なサイズで既に仕立てがされているもので、「プレタ」と書かれていることもあります。
仕立て上がりのメリットはすぐに着られること、仕立てるよりも安価に手に入ること。仕立て上がりは自分にぴったりのサイズなので着心地がいいだけでなく着付けもしやすいですが、時間がかかることと価格的にも仕立て代の分上がってきます。
マイサイズに仕立てたきものは段違いに着やすいのでとってもおすすめですが、全てを仕立てる必要なないと思っています。特別なものだけ厳選して、仕立てるならばより安全に仕立てるためにもオンラインよりも実店舗を訪れることをおすすめします。
③季節を確認
いつ着るのか、季節も重要です。「春夏秋冬じゃない?きものの衣替え」の記事でもご紹介した通り、きものは大きく3シーズンに分類されています。
最初の一着には最も着用時期の長い袷(あわせ)を選ぶのがおすすめ。
④サイズを知る
最後に重要なのがサイズです。仕立て上がりの着物はS・M・L表記のものが多いですが、洋服のサイジングとはやや異なるので自分のサイズを知っておくことが大切。
着物のサイズは主に身丈(みたけ)と裄(ゆき)で決まります。身丈とは着物の肩から裾までの全長のこと。これは身長とイコールです。裄は腕の長さのことですが、肩からではなく背中心(背中の真ん中の縫い目)から袖口までの長さ。測るときは背中側から図ります。首の後ろのぐりぐりした骨の出っぱりが二つあるので、下の方のぐりぐりを起点に肩先を通り、手首のくるぶしの手前ぎりぎりまで。
測るときは腕は垂直に上げるのではなく、45度程度の自然な位置で測ります。自分では難しいので誰かに測ってもらいましょう。
マメ知識ですが、仕立て上がりの場合はやや大きめに作られていることが多いです。
画像はあづまやきものひろば さんよりお借りしました。
色や柄は自分が着て気分が上がるものを♡
以上を押さえたら、あとは好きな色柄を選ぶだけ。最初は迷ってしまうかも知れませんが、まずはルールを気にせず「自分が着ていてテンションが上がる柄」を選びましょう!何よりも着ることを楽しむことがきものを着るうえで一番大切です。
やっぱり柄のルールを知っておきたいという方は過去の記事「知らなきゃまずいの?きものの柄のルール」をご参照ください。
私自身、きものを着始めた頃は、ネットショップやネットオークションもかなり活用していました。
そのうえで押さえておくべきポイントをまとめましたが、正直、以上の全てをきちんとチェックしてもうまくいかないときはあります。笑 ただそれはきものに限ったことではなく、ネットで買い物をするということはある程度のリスクは避けられないと思うので、恐れずチャレンジしてみてください(返品の条件なども事前に確認してね)。
実際に買わなくても検索してみるだけでも面白くて時間を忘れます!おこもり時間のヒントになれば嬉しいです^^♪