こんばんは。HOTEL SHE, KYOTOの花岡です。
新型コロナウイルスの影響により、私が働いている京都のブティックホテル”HOTEL SHE, KYOTO”は4月頭よりクローズしています。
今日はゴールデンウィーク最終日の5月6日。例年であれば多くのお客さまが京都の街に溢れ、ちょうど鴨川の川床料理店もオープンし、1年で最も街が賑わいます。
そんな日々を懐かしく感じながら、ホテルのロビーで一人この記事を書いています。
私もそうですが、自宅でずっと引きこもっていると、まるで終わりが見えない洞窟で独りぼっちのような感覚に苛まれます。
ついネガティブな思考になりがちですが、趣味でも仕事でも、どんな些細なことでもいいから生きる活力剤を見つけて、意識的にでも前だけを向いて生きていきたい。
いつの日か、最果ての旅のオアシスへ
今は無理でも、1ヶ月先が半年先か1年先か、いつか旅に出られる日はきっとくる。
そんな日が訪れた時に、皆さんに遊びに行って欲しいホテルを紹介していきます。
今日は私が世界で一番好きな場所、”HOTEL SHE, KYOTO”についてお話したいと思います。
HOTEL SHE, KYOTOは、京都を南北に貫くメインストリート烏丸通りのロードサイドに佇む全33室のブティックホテル。
ホテルと言っても、旅先で寝泊まりするだけの場所ではなく、旅の目的地の一つとして選ばれる存在でありたい。
そんな想いから、いわゆる「京都っぽさ」とは異なる、70〜80年代のカリフォルニアデザインから着想を得た空間 / サービスを展開しています。
ホテルロビーには深夜まで営業しているアイスクリームパーラーを併設、アメリカンダイナー風のラウンジではクラフトコーラや焼きたてワッフルの朝食をお楽しみ頂けます。
全ての客室にレコードプレイヤーを設置。ロビーからお気に入りのレコードディスクをレンタルして自室で楽しむこともできます。
その他にも客室へ続く廊下を妖しげに照らすネオンライトや、朝焼けの空のようなグラデーションのルームキー、客室の壁はまるで海外ホテルのようなライトグリーン。
私たちにとってホテルとは、ただベッドやシャワー、Wi-fiが通っている”寝泊まりができる箱”ではなく、お越し頂いたお客さまの旅がより非日常なものに移り変わり、感動や物語が生まれる場所であるべきだと考えています。
そのため、ロビーで流す音楽も、バーで取り扱うお酒も、全て非日常を彩る道具だと言えます。HOTEL SHE, KYOTOでは『最果ての旅のオアシス』をコンセプトに、長旅に疲れた人たちを癒すような空間やインテリア、サービスを提供しています。
with コロナ時代のホテルのあり方
先述した通り、私たちにとってホテルとは、決してベッドやシャワーなどハード面に依存するものではなく「お客さまに非日常を届けるもの」「夜の新しい過ごし方を提供する場所」だと考えています。
もちろん旅ができる世界では、実際にお部屋に滞在いただき、五感すべてで感動頂けるようなサービスを提供したい。特にホテルは他の業態よりもお客さまの占有時間が長いので、アイデア次第でどのような価値提供も可能です。
ただ、今の時代はそれがどうしても難しい。移動を伴う旅自体がリスクと考えられる時代において、”場所”を中心に考えるとどうしてもホテルの提供価値はゼロに等しくなってしまいます。
ですが、「非日常を届ける」「夜の過ごし方をアップデートする」という考え方にシフトすれば、必ずしも客室やロビーは必要ではなく、別のアプローチ方法でもホテルの存在意義は保てると思うのです。
次回は私が、現在クローズ中のHOTEL SHE, KYOTOで取り組んでいる『ホテルのお仕事』についてお話できればと思います。