先日、友人が結婚式用の紙を紙漉きでつくるというので、撮影しについていった。
三軒茶屋のニッサンレンタカーで青いノートを借りて(ニッポンレンタカーではなく、昭和女子大側のニッサンレンタカー。いつも間違える。赤い色は印象に残るのだなぁ。)
車で1時間ほど走ると、山々に囲まれた、のどかな景色が広がる。
工房に着くと、お客は僕らだけ。ウグイスの鳴き声が聞こえ、窓の外には草木と、季節の花が咲いている。
紙漉きを実際に見たのは初めてだったけれど、ニュアンスにかなり左右されるもので、木枠に巻き簾ついたザル(といっていいのかわからないが)を、紙の元になる木の皮の繊維とつなぎを混ぜた液の中に入れる角度や深さによって出来上がりがかなり変わりそうだった。
「子供は、すぐにうまくできちゃうんですよ、大人はそうはいかない。」
と指導してくれる職人さん。
子供はきっと、水の流れや圧力に、意識せずに素直に委ねられるのかな、と思った。
大人は自分の力で、なんとかうまくやろうとする。
一度してしまった意識を、ないものにするには時間がかかる。意識をせずに、無理なく、周りの環境に身を委ねることができるところにもどってはじめて職人と呼ばれる域に行くのだろうな。
次回は自分もやってみたい。
Shingo Kurono