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発酵文化研究所(運営:株式会社Career Lab) 自身の経験から、日本人の身体に合う伝統的な「発酵食品」を手軽に続けられるようレシピ提供、ワークショップ、食育・腸活アドバイス、各種商品開発を行う。 発酵・酒粕料理研究家/上級食育アドバイザー/腸活アドバイザー

熊本の食を巡る 取材旅 vol.1

こんにちは。
発酵文化研究所です。

父が九州出身ということもあり、とても身近な存在の「熊本県」。
改めて、ルーツとなる食について知りたいと思い、
阿蘇から天草、熊本市内を巡り、
多くの食材や食文化に出会いました。

本来であれば2016年に伺う予定でしたが、
いろいろなことが重なり、ようやく伺うことができた今回。

そんな取材旅の中から、
一部になりますが、ご紹介させていただきます。

①中でも楽しみだった「阿蘇たかな漬け」

産まれ育った和歌山にも高菜漬けを使った「めはり寿司」があり、
私にとっては、とても身近な漬物の一つ。

どちらかというと葉の部分を使うイメージが強い高菜漬けですが、
阿蘇地方で栽培される高菜は茎の部分が長く、
見た目だけでなく特製も違うので、漬け方も異なるとのこと。
新しい発見でした。

茎の部分が多いので、
巻いて食べるというよりも、細かく刻み混ぜるのが主流。
シャキシャキした食感と優しい酸味がクセになります。

油との相性も良く、
サッと炒めることで乳酸菌がうま味成分に変わり、
また違った美味しさを味わえます。

楽しみ方としては、
炒め物やスープの隠し味などにするのがおすすめです。

また、阿蘇たかなは、
世界一のカルデラとされる阿蘇だからこその希少な産物だと知りました。

ならば「阿蘇たかな漬け」と呼ぶのが正式では?
と、調べてみたところ、
2007年に「阿蘇たかな漬け」として地域ブランドに登録されていました。

地域の方の強い想いを感じつつ、大切にいただきました。

②ツンとする辛みが病みつき「辛子蓮根」

これまでも辛子蓮根は食べる機会も多く、
熊本の食の中では身近な食べ物という方も多いかと思います。

ですが、この辛子蓮根の歴史を知る方は、
そう多くはないのではないかと思いご紹介させていただきます。

おなじみの黄色い姿の辛子蓮根。
始まりは1600年代、熊本藩主が細川忠利の頃といわれます。

細川忠利は身体が弱く、蓮根を食べるように勧められます。
しかし細川忠利は、とても食に関心が薄く興味を示してもらえません。

そこで、家臣たちは考えた末、
蓮根に辛子と味噌を詰めて衣をつけて揚げたものを献上し、
そこから辛子蓮根は定着することとなったとされています。

また、その蓮根にも歴史があり、
熊本城築城の際、
加藤清正が非常食にと栽培したのが始まりという、
その歴史に、深く感動してしまいました。

この辛子蓮根。
ご自宅でのアレンジ方法をご紹介させていただきます。

1.辛子蓮根ピザ
・辛子蓮根を5mm程度にカットする。
・オーブン皿にオーブンシートを敷き、
その上にカットした辛子蓮根を少しずつ重ねながら丸くなるよう並べる。
・トマトケチャップを薄くぬる。
・シュレッドチーズをお好みの分量のせる。
・トースター又はオーブンで焼く

辛子味噌とトマトケチャップ、チーズが絡み合って絶品です。
蓮根のカリカリとホクホクも一緒に楽しめる一品に。

2.辛子蓮根の肉巻き
・辛子蓮根を1~2cmお好みの厚さにカットしする。
・豚バラ肉で巻く。
・フライパンで焼き、豚バラ肉に火が通ったら、
醤油、酒、みりんで味を調えて完成。

ボリューム満点。辛子蓮根が主菜になる一品。
お弁当にも、おすすめです。

辛子の辛さが苦手な場合、
お箸などで辛子味噌を抜いてあげると食べやすくなります。
その抜いた味噌は、
マヨネーズに混ぜたり酢味噌にすることで、
フードロスにもならず、おいしく楽しんでいただけます。

そのままでも、おいしい辛子蓮根ですが、
アレンジすることで、さらに楽しみの幅が広がりますよ。

今回は、阿蘇高菜漬けに辛子蓮根と、
熊本といえば!の定番食文化でしたが、いかがでしたか?
次回は「だご汁」と「馬肉」についてです。
どうぞ、お楽しみに♪