史佳

新潟出身の三味線プレイヤー。9歳より津軽三味線の師匠であり母でもある高橋竹育より三味線を習い始め 2000年よりプロ活動をスタート。新潟を拠点に国内外で演奏活動を行ってきた。古典を大切なベースとしながらも、伝統芸能の枠を超えた新しいニッポンの音楽を目指し、現在、ニューヨークを拠点に移し三味線芸術の新しい境地を開拓している。 YouTube公式チャンネル :https://www.youtube.com/channel/UCDcEsCsEsKHs6Oyv-i83Nfw

最高の親孝行

『菊水ふなぐち』は、今年50周年のアニバーサリーイヤーである。
ラベルも「ふなぐち」の文字を強調した新デザインで、販売好調である。

私自身、全国津々浦々演奏活動に行っているが、スーパーやコンビニで必ずこの缶を見つけると安心する。
いまや、全米にも販売を展開しており、益々海外での日本酒ブームの熱気が増すことだろう。

50周年といえば、私の母、高橋竹育が今年芸道50周年を迎えた。

9月24日にホテルオークラ新潟にて、芸道50周年記念祝賀会が開催された。
祝宴の前に、高橋竹育による記念公演があった。

竹山節の原点と言える「三味線じょんから」「三味線よされ」が、最初に披露された。
この曲は、竹山師が15歳の時、師匠から習ったという門付け三味線である。
200年前の古い曲であるが、現代で演奏しても、色褪せない鮮やかな曲調である。

次の曲は、竹山師からその昔、褒められたという思い入れのある「津軽あいや節」の唄弾き。
自ら唄いながら三味線を伴奏する難曲であるが、感極まって声がかすれる場面もあり、万感の思いが込められた素晴らしいものであった。

その後は、新潟高橋竹山会会員が参加しての大合奏が披露され、総勢40名の勇ましい音色が響き渡り圧巻であった。

プログラム後半は、「津軽三下り」、「津軽音頭」と難曲に挑み、最後は「岩木」という即興曲で締めくくった。
プロをも凌駕するプログラムに挑戦し、終始素晴らしい演奏であった。

祝宴では、高橋竹育が百合の花がデザインされた着物で再登場し、会場を沸かせた。

乾杯酒は、もちろん『史水』。
ホテルオークラ新潟の至高のフルコースと『史水』の極上コラボレーションであった。

高橋竹育が、一人で全てのテーブルにご挨拶をして回る。
改めて母の偉大さを感じた。
50年継続することは、そう容易なことではない。
ずっと一筋に三味線道に邁進してきた高橋竹育先生に息子ではなく、演奏家として、敬意を表したいと思う。
50周年は、おそらく通過点、60周年に向けて、またこれからも三味線を弾き続けてほしいと願う。

母の芸道50周年を、『菊水ふなぐち』で乾杯。
最高の親孝行!!