いつも、ありがとうございます。
発酵文化研究所です。
4回にわたり北海道で出会った食材をご紹介してきましたが、
最後に北海道で出会った郷土食と、
私が感じた北海道の魅力を書かせていただきます。
①北海道の郷土食
こちらでは、私が滞在中にいただいた郷土食をご紹介。
カニアレルギーのため、
残念ながら「てっぽう汁」は断念しましたが、
味噌と合いまったカニの良い香り。
とても魅力的でした。
【ジンギスカン】
羊肉が得意ではない私。
あまり気乗りしていませんでしたが訪問。
お店のおすすめをいただいててみてビックリ!
これまでの羊肉は何だったのかと思うほど全く違うもので、
クセのある匂いも無ければ、しっとり柔らかく、
色々な部位を楽しむことができました。
苦手だったのがウソのように、
2日続けてジンギスカンのお店に伺ったほどです。
いただきながら、
どうして、北海道では羊肉がこんなにもメジャーなのか?
気になり確認してみたところ、
そもそも北海道では羊毛を取るために、羊の飼育が盛んになったそうですが、
食糧難の時代など、
貴重なタンパク源としても重宝されるようになったようです。
そして驚いたのは、
羊を使っていなくても「ジンギスカン」と書かれていたこと。
その疑問に対して、
特徴ある鍋を使えばジンギスカンだという方、
いやいやマトンとラムを焼くのがジンギスカンだという方。
色々な説があるのだなと、
歴史と共に奥の深さを感じました。
【鮭のちゃんちゃん焼き】
ご存知、鮭を野菜と一緒に味噌で味付けした鉄板鍋料理です。
なぜ「ちゃんちゃん焼き」というのか。
各地域によって所説あるようですが、
「お父さんが作るから」
「焼く時に使うヘラが鉄板にあたる音がちゃんちゃんと聞こえるから」
「ちゃんちゃんと簡単に作れるから」
などなど。
発祥とされる石狩地方では、
漁師の方々が、釣ったばかりの鮭を、
船上のドラム缶を鉄板代わりに作ったとされているようです。
今ではホットプレートなど使って手軽にできる料理ですが、
本来は、とてもワイルドな料理だったのだなと驚きでした。
シンプルに味噌で楽しむのも良いものですが、
トマトやチーズ、カレーなどでアレンジも可能。
華やかに見えるので、パーティなどでもおすすめです。
【石狩鍋】
材料はちゃんちゃん焼きと似ていますが、
石狩鍋は汁物系の鍋料理に分類あれています。
ぶつ切りにした鮭と野菜を昆布だしで煮込み、
味噌で味を整えることで完成します。
野菜は季節の物など様々。
豚汁ならぬ鮭汁のような感じで、
歴史ある具沢山味噌汁のような印象を受けました。
塩鮭を使い、味噌を控えめにして作ってみましたが、
鮭から出汁も出て、
一味違う具沢山味噌汁となり好評でした。
鮭の水煮缶を活用すれば、
お子様でも骨を気にせず食べることができますし、
不足しがちなカルシウム補給にもおすすめです。
【三平汁】
石狩鍋と同じように思われることが多いようですが、
三平汁の特徴は、味噌を使用しないことです。
保存のために塩漬けにしておいた魚を使用し、
その塩分と塩蔵によって旨味成分となった魚の出汁で作られます。
先に紹介した石狩鍋を塩鮭で作ってみたのも、
この三平汁を知ったからですが、
厳しい冬を乗り越えるための、
とても理にかなった食文化だなと、改めて先人の知恵に感動でした。
【赤飯】
噂には聞いていましたが、
甘い豆がたっぷり乗ったピンク色の赤飯。
やはり実際に目にすると驚きでした。
大きくて食べ応えのある甘納豆。
(本当に、しっかりと甘い)
ゴマ塩を振ることで塩味と甘味のバランスが良くなりますが、
そんなことはせず、しっかり甘さを楽しむようです。
甘い物が大の苦手な私。
正直、ちょっと苦手でした。
この他、玉子焼きなども、
しっかり甘く作られる方もいらっしゃるなど、
甘めの味付けを好まれる方も多いようです。
甜菜糖の原料となる砂糖大根が収穫できる北海道。
甘い物や砂糖が手に入りやすかったのかな?
などと想像してしまいました。
他の地域同様、甘い赤飯も、
ハレの日の食事として、現在も大切に引き継がれているようです。
②私が感じた北海道の魅力
とにかく何もかものスケールが大きい!!
行く先々で、驚いてばかりでした。
土地の広さはもちろんですが、空も海も!
本当に目に入る景色、全てのスケールが大きく感動でした。
今回は、北海道横断。
約1,400kmの移動でしたが、
行く先々で食材や食文化に出会うことができ、
とても良い経験と刺激になりました。
そして様々な場所で、自然が生みだした情景や、
その自然と共に生活する生き物の存在を目の当たりにし、
今回の目的以外にも、色々と考えさせられました。
今年は、これまでと違い、
一週間という、ゆとりあるスケジュールで出た取材旅でしたが、
あの広大な土地と長い歴史を知るには、全く足りず反省。
今後も、道内のエリアを変えつつ続けていけたらと思います。
もちろん、他の地域への好奇心も旺盛。
日本の食文化への探求心を持って、
取材旅を増やしていくことができればと考えています。