Tomoaki Murano

村野 友明 / Tomoaki Murano インテリアアドバイザー / 1979年千葉県生まれ。専修大学商学部卒業後、個人投資向け営業会社に入社。大塚家具へ転職し個人、法人のインテリア提案、家具設計業務に付帯。その後デザイン注文住宅設計事務所フリーダムアーキテクツデザインに入社。不動産及びファイナンスのコンサルタントとして従事した後、オンラインでのインテリア相談・コーディネートサービス「HelloInterior」を共同創業。富裕層・著名人顧客を多数持ち、オンライン・オフライン合わせて3,500件を超えるインテリア相談・コーディネートを対応。Instagramを中心にインテリアにまつわる情報を発信している。ミッションは「インテリア業界をアップデートする」。インテリア、建築、サーフィン、ゴルフ、音楽をこよなく愛する。バンタンデザイン研究所空間デザイン科卒業。

人生初?の骨折をした45歳・・・夏③

緊急事態における僕の意外な冷静さ

人は突然訪れる危機に対して、意外にも冷静にいられることがある。おそらく防衛本能の一つであろう。もしかしたら「正常性バイアス」というやつかもしれない。結構な転び方で腕もやばそうなのに、一番最初に心配したのが「スマホの画面が割れていないか?」ということだった…。

僕自身もこの時、びっくりするぐらい平静を装っていた。いや、結構このパターンはあんまり慌てない性格なのかもしれない。

振り返ってみれば、22歳の冬。大学の試験の日に、徹夜で勉強して寝ぼけ眼で原付で学校に向かっている最中、僕の前方確認不足により前を走っていたハイエースに思いっきりカマ掘った(追突)ことがある。その時、大通りで僕は激しく転倒し、原付も大破。僕自身も大通りに投げ飛ばされたようになったが、すぐに立ち上がり、原付を道路の橋に寄せて、カマ掘った(追突)ハイエースに謝罪に行ったことがある。今振り返ってもビックリするぐらい冷静な対応だった…。

そんな僕だから、今回の転倒事故の瞬間もかなり冷静だった。今考えたら腕が逆に曲がるという、誰に話しても「うわっ・・・・想像するだけで恐ろしい・・・・」と言われる状態でも冷静だった。

脱臼だったら治せるんじゃないか?

流石に腕が逆になるという、正常の時にはありえない状況に驚きを隠せなかったが、事故直後のアドレナリン大量分泌のせいか、意外と痛みは弱く相変わらず落ち着いていた。

「これ、外れたまんまは嫌だし、とりあえず脱臼なら治せるんじゃない??」

ほら、スポーツとかで肩の脱臼とかよくあるし、癖になっている人もいるみたいだから、きっとどうにかなる!そう思って僕は、肘を通常の曲がる方向に動かしてみた・・・・・

「・・・おっ!ハマった??」

なんと!痛みはあるものの肘が通常の状態に戻ったのだ!しかも指は一応問題なく動くし、痛いけど二の腕も少し曲げられた。

これならなんとかなる・・・であろうと思った僕は、駆け寄ってきた店員さんに取り急ぎ救急車を手配してもらい、救急車が来るまでの間は店内でケータイをいじりながら冷静に待っていた。。。

「僕は骨折なんてしていない。ただただ脱臼しただけだ!だから病院に行って検査してもらっても、脱臼による痛みと打ち身による痛み程度ですぐ済むはずだ!」

そんな甘い考えを持っていた・・・・そう、僕が骨折なんてするわけがないのだ。これまで散々色んなことをやってきたけど、大怪我なんてしてこなかった僕。この歳になってコケて骨折なんて、大して笑えないシナリオライティングなのだよ。

そんなことを考えていると、遠くから救急車のサイレンが・・・いよいよ僕はその直面した現実を突き詰められる時が来たのだ…。肘が逆に曲がって外れて、それを半ば強引に戻すという愚行の審判が下されるわけだ・・・

・・・続く。