SHINGO KURONO

1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

ヨコモジ

打ち合わせを終え、パリ時代の友人と軽くご飯を食べに行った。
日本に帰ってきてからも、何度か呑みに行っていたのだけれど、ここ何年か会っていなかった。
4,5年ぶりになるのだろうか。

不思議なもので、お互いそれぞれいろいろあったんだろうけれど、
時間はするっともう10年も前に戻ってしまうような感覚だ。

どらえもんでタイムスリップする時のように、ダリの描いたような歪んだ時計がふっと浮かぶ。

「何年経っても、あの頃と変わらないねぇ、 やってることも、言ってる事も。」

多少は変わっているとは思うけれど、たぶん大いなる変化みたいなものは僕にはないのかもしれないな、と思った。
周りの環境はけっこう変わった。友達も多いに変化した生活を送っている、気がする。

三軒茶屋の古い映画館はなくなり、その代わりにガラス張りの建物が建った。
地元の友達の家が建ち、子供が生まれ、みんなパパママになっている。

それに比べると、僕の変化なんてほんの些細なもので、
20歳そこそこの時と変わらず、デザイン、地元の居酒屋なんかにいくと、あぁ、横文字出たねぇなんて言われてしまうような4文字に冒されている。
ハンバーグはやアイスクリームはすぐ浸透するのに、デザインという言葉はなかなか本当の所で浸透していない気がする。
ドーナツみたいにわかりやすくあぁ、穴のあいたあれね、みたいになったらいい。

Shingo Kurono