人生相談。「音楽家になるには?」

こんにちは! ケルトの笛のhataoです。

時々、見知らぬ人から質問をいただくことがあります。今回はアルバイトをしながら音楽家を目指している方から、どうやったら音楽家として生きていけるのかと相談を受けました。

音楽家になるには?

自分も昔よく考えた問題だったので、つい回答に力が入って長文の回答をしてしまいました。連載のテーマでもある「音楽家の起業」に関係する内容ですから、読者の皆様にも読んでいただきたく思い、転載します。

僕はこんなふうに答えました。


本文とは無関係ですが、奈良の桜があまりにきれいだったので、シェアします。

お金に換えられる価値があるか

何かでお金を稼いで生活するというのは、お金に換えられる価値がないといけませんね。
例えばアルバイトでお金を稼ぐことであれば、労働者は時間を提供して身体を動かすことでお金に換えています。この場合は、時間があって、身体が動けば良いので、アルバイトは高校生から高齢者まで多くの人が参入できる労働市場です。

それが音楽家としてお金を稼ぐことであれば、限定的になります。極論をすれば、あなたの演奏を聴く人がお金を支払う価値があると感じるかどうかだけ、です。

音楽家には学歴や実力や見た目も大事な要素なのですが、世の中の人の感じ方・考え方は色々ですから、それだけが価値ではありません。

仮にあなたがそれらを持っていなくても、愛されるキャラクターとか人を感動させるストーリーとか、希少な専門性があるとか、そういったものでも人は価値を感じてお金を支払うことがあります。多くの人が持っていない自分だけの価値を高めることが重要です。

音楽家に必要な“起業家精神”

コンクールではないので、同じ価値基準の軸にすべての音楽家がいるわけではありません。たくさん努力したからといって収入に結びつくとも限りません。言い換えると毎日スケール練習を2時間しているからといって、それでお金が稼げるようになるわけではないのです。

芸術とお金は深く関係しているものの、完全に切り分けて考えることもできます。独立した音楽家として生きるには、起業家精神が必要です。

世間の音楽家がどうやって収入を得ているのか、どういうところにお金が流れているのかを調べてみてください。

すると自分が思いもしなかった稼ぎ方があったり、自分が想像していた音楽家とは違うタイプの人が収入を得ていたりすることがわかるでしょう。

最近はYouTuberとして活躍する音楽家もいますし、コミケなどのアニメやゲームのサブカルチャーの二次創作や、ライブ配信も盛んですね。常に新しい流行や新しい市場が生まれているので、旧来の価値観にとらわれずアンテナを張ってください。

「音楽家として生きる」ことの本質

それから、職業としての音楽家ではない、「音楽家として生きる」ことの本質について、自分の気持ちを深く考えてみてください。

演奏をすることに強い動機があるのか、つまり仮にお金が稼げなくても、どうしても追求したい音楽や表現したい音楽があるのか。
それとも単純に音楽以外のことがしたくないのか。逆に言うとアルバイトから開放されるのであれば、ストリート演奏でもレッスンでも編曲でもなんでもやる覚悟があるのか。演奏するのはどんなジャンルの音楽でもいいのか、それとも自分が好きな音楽しかしたくないのか。

それによって「音楽家として生きる」ことの難易度は変わってきます。

必ずしも演奏だけにこだわらないのだということがわかったのなら、音楽に関することで演奏以外の要素も組み合わせてみると、自分だけの強みができますし、お金を稼ぐ手段も増えます。
例えばレッスンができる、楽譜や文章が書ける、作編曲ができる、エンジニアリングができる、など…。プロの音楽家も、100%演奏だけで収入を得ている人は少ないです。

このように考えると音楽家として生きるには多くの可能性や選択肢があり、方法によってはそれほど難しいことのようには思えなくなるのではないでしょうか。

自分の思い描く音楽家の姿を深く考えて、あらゆる可能性に挑戦してみてください。

夢を叶えられますように。応援しています!

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