「オジサン」像はアップデートしている

こんにちは、ケルトの笛のhataoです。

連載では音楽と起業の話ばかり書いていますので、今回は少し肩の力を抜いて読んでいただけるテーマを取り上げます。

人生の20年サイクル


40代前半の私は最近、時代が変わったことをハッキリと感じています。‬

自動運転やAI、キャッシュレス……といったテクノロジーの話ではありません。もっと身近なことです。例えば20代の女性の化粧や服装、それから人とのコミュニケーションの取り方です。

例えば昭和世代の人なら、バブルの肩パッドが入った原色スーツと大きなアクセサリーに身を包むソバージュのキャリア・ウーマンを想像すれば、当時の景色や時代の空気までもが思い出されるのではないでしょうか。そのようにひとつの時代の雰囲気は、女性の服装に現れると私は思っています。私の学生時代の服装もまた、今の若い世代が見れば古めかしく感じるでしょう。そのような、「令和初期」を象徴する外見上の特徴を、今の女性が持っていると私は感じています。

コミュニケーションの取り方については、若い世代は形式よりも中身を重視し、より効率的かつ本質的なコミュニケーションを取っていると感じます。手紙であれば前文や時候の挨拶がありました。メールなら「お世話になっております、よろしくお願いします」が定型文でした。LINEやTwitterなど短文で考えを伝えることに慣れているからかもしれませんが、若い世代は回りくどい言い方を避けて直球を投げてくる印象があります。効率性や生産性がトレンドだからなのかもしれません。

自分が20代だった頃から世界は少しずつ変化しており、その時々の流行や新製品も知らなかったわけではありませんが、小さな変化の積み重ねでも20年も経つと、自分の知っている世界とは随分と変わってしまうのです。

人生のステージとして、20歳前後で教育を受ける時代が終わり、40歳前後で社会で活躍する壮年期に、60歳前後でリタイアし、80歳前後で人生の最終章を迎えることを考えれば、納得がいきます。

「時代の変化」への2つの態度


おそらく今の40代(昭和世代)は、自分が20代だったころのファッションや消費スタイルや考え方のまま生きています。ですから同世代とばかり交流していると時代の変化に気がつきません。これが60代になると更に大きな隔たりを感じることでしょう。

このようなギャップを感じた時に、2種類の行動を選択することができます。若い人と交わって新しいことを取り入れながら変化し続けるのか、そのまま変わらないのかです。

自分は20代の頃から流行に敏い「アーリーアダプター」タイプではありませんでした。スマホもSNSもまわりで流行りだしてから始め、ファッションや流行にうとい若者でした。流行を追いかけるよりも淡々と自分の好きな音楽を追求しているほうが好きなのです。

ビジネスにおいては、最新の流行や新しい技術には常にビッグ・チャンスがあります。ビット・コインやYouTubeを考えればわかるとおり、出始めの頃から取り組んでいた人には先行者利益(早く始めた人が得られる有利な条件)がありました。

私の知人に年齢はもう60歳以上なのにスマホを使いこなし、TikTokやIGを活用して情報発信している人がいます。思えば彼はMy Spaceもmixiも、周りが気づく前にいち早く使っていました。

新しいもの好きかどうかは、年齢とは無関係ないのです。若くても考え方や生き方が老けている人もいれば、年齢を重ねていてもはつらつとして聡明な人もいます。

皆が皆、最新のトレンドに敏感でなくてはビジネスが成り立たないわけではありません。高齢者向けのビジネスや流行に左右されないビジネスにもチャンスは転がっています。それに日本は高齢化社会で、高齢者の人口ボリュームは若者を大きく上回っています。

自分は、ビジネス面においては新しい技術やビジネス・トレンドは把握しておきつつも、流行に惑わされずに確たる芯はブレないようにしていたいと考えています。

「オジサン」像はアップデートしている


私は10代の頃、「ダサいオジサン」にはなりたくないと思っていました。それは不潔・無精・不健康で、挑戦することを忘れた、だらしがない中年男性です。

よく漫画で揶揄される、白髪まじりで、脂ぎって、加齢臭がして、会社でも家庭でもうだつの上がらないメタボのキャラクターってありますよね。そのような中年男性にはなっていないと「自分では」思っています。
しかし最近気がついたことがあります。私が想像していた「ダサいオジサン」は、昭和の価値観に基づいたものだと。「ダサいオジサン像」も時代とともにアップデートしており、自分が今の若者の思う「ダサいオジサン」に当てはまっていないかどうかは、分かりません。

20代からうっとうしがられないように、自分の古い価値観でものごとを判断せず、価値観もアップデートしていかなくてはいけないなと戒めた気づきでした。

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