今から約1年半前の2019年10月5日。ニューヨークカーネギーホールでのコンサートを無事終えが、興奮冷めやまないその翌日に、ブルックリンにあるJ-Collaboさんでミニライブを開催した。コンサート翌日ということもあり疲れがないか自分でも心配していたが、本番をこなした翌日というのはむしろ、パフォーマンスとしては調子が良いということを体感し、自分自身も驚いた。
心技体が最高の状態ということなのだ。聴きに来てくれたブルックリン在住の人たちからたくさん質問が挙がり、日本文化への注目度が高いことを改めて実感した。三味線を通じて文化交流が出来たことがとても嬉しく、非常に有意義な時間だった。
「Celebrates Emancipation Day」で一年半ぶりの演奏会
先日、2021年6月19日におよそ一年半ぶりとなるJ-Collaboさんでの演奏会があった。この日は、ちょうど奴隷解放日という特別な日であったため、「Celebrates Emancipation Day」というタイトルで様々なイベントが行われた。お茶会や書道展などの日本文化を体験できる1日イベントである。
私の出番は、午後4時からの45分間。主催者の方から和装の要望があり、6月なので紫陽花色の着物を選んだ。いざ紋付き袴で登場すると、会場がどっと湧いた。やはり日本文化の象徴である着物は好印象であり、インパクトが大きいようだ。
4月にニューヨーク入りしてから、初めてのライブ形式の演奏であったが、気負うことなく1曲目に入れた。ライブ前に菊水テイスティングもあり、すでにリラックスされたお客様がライブに聴き入った。夏の盆踊りの曲やイエローサブマリンなどで会場は沸き、さらに津軽じょんから節でボルテージを上げた。途中に三味線体験コーナーの時間を作り、3人の人に三味線を体験してもらった。三味線に興味を示した小さい男の子が、パパに抱っこされながら三味線の弦を奏でる一幕もあり、お人形さんのように可愛い男の子の瞳がキラキラと眩しかった。
言葉が通じなくても、音で伝わる。生演奏の素晴らしさ。
演奏のラストを飾るのは、即興曲。自然界の音を表現する曲である。私自身の演奏も盛り上がりをみせ、会場全体が高揚した。ライブ後に現地の方が、大きな森に風が吹き抜けるイメージが浮かんできたと話してくれた。言葉が通じなくても、音で伝わる。コロナ禍で出来なかった生演奏がいかに素晴らしいかを、改めて実感できた瞬間であり本当に嬉しかった。カーネギーホールコンサートに向けて、とても良いイメージを掴むことができたと感じている。
ふなぐちで乾杯!
さて、菊水酒造さんのご協力のもと、菊水テイスティングも行われ大好評であった。銘柄は、ふなぐち一番しぼり。近年、海外特にアメリカでは、日本食が注目されたことをきっかけに日本酒の人気が非常に高い。菊水一番しぼりは、その手軽さから、かなりの販路とニーズがある。更にコロナ禍後の海外の飲食店への販路開拓も、大きいチャンスと言えるだろう。その菊水テイスティングでの盛り上がりを見て改めて感じたこと。それは、やはり日本酒は、間違いなく人と人を繋ぐ最大の”コミュニケーションツール”になること。まだまだ日本の”SAKE”が飽和状態ではないからこそ話題に挙がりやすいし、造り手の数だけ語れる”ストーリー”がある日本酒は会話に華を咲かせることができるはず。そのストーリーに共感して飲んでみた日本酒で一気にハマってしまったり、日本酒の原料や製法で会話が弾んで仲良くなったりなんてこともあるかもしれない。特にスパークリング日本酒は、シャンパンのようなイメージで乾杯酒にもいいと思う。
エンジェルス大谷選手の活躍とともに、野球観戦をしながらふなぐちスパークリングで、スパーク!!する日も近い!?ふなぐちスパークリングのアメリカデビューを心待ちにしている史佳Fumiyoshiである。