こんにちは。テルミン奏者の街角マチコです。
今でこそテルミン奏者を名乗っていますが、テルミンを始めたのは2002年、今から19年前です。
19年なんてまだまだ、このくらい弾き続けたい!という私の目標とする演奏家のコンサートに行ってきました。
日本を代表するヴァイオリニスト、前橋汀子さんです。
なんと、もうすぐ80歳になられるのです!
2時間立ちっぱなしでダイナミックに演奏されていました。
憧れの人
今は、私もテルミン婆さんになるまで現役で弾き続ける!という目標がありますが、そもそもの音楽の目標はこの方の美しい音色に始まったのでした。
今日は私のテルミンのルーツについてお話させてください。
私が5歳の頃、母が初めて買ってくれたレコードのこの美しい方!
当時は私もヴァイオリンを習っていたので(・・・と書くと英才教育っぽいニュアンスですが、完全にこどもの習い事レベルです。)励みになるようにと、母が買ってくれました。
5歳児ながらに、このビジュアルにグッと心を掴まれ、もう何回このレコードを聴いたことか!
ひとつひとつの音が本当に美しくて、目を閉じると、弓の動きが生き生きと感じられるのです。
このジャケも大好きで、当時の発表会の後に親が撮ってくれた私の写真は、これを精一杯真似た表情をしていました。(笑)
家の近所の市民ホールでコンサートがあったときも、連れて行ってもらい、10列目くらいで演奏を聴きました。
いつか私も「チゴイネルワイゼン」を弾いてみたい!
そう思いながら練習し、時は流れ、高校生になった頃。「演奏会用名曲集」という楽譜集を買って、いよいよ弾いてみようとしたときです。
・・・・ん? この曲じゃない!!
では私が10年以上「チゴイネルワイゼン」だと思って目指していたものは?
長年の間違いに衝撃を受けて、もう一度よーーくレコードを聴きなおしてみると、それはB面に収録された
「序奏とロンド・カプリチオーゾ 作品28(サン=サーンス)」でした。
それを大人になってまた生で聴いてきました。というお話でした。
心にいつもヴァイオリン
テルミンを演奏するようになった今でも、演奏の組み立てを考える時、実は、いつも心の中で弓(ヴァイオリンを弾く時右手に持っているあの棒です)をイメージします。
どこで早め、どこで切り返すか?そんなことを考えています。
テルミンは、弓で弾く楽器や、息を吹き込んで吹く楽器と違って、永遠に音をのばせてしまうんです。
弦楽器の弓はどこかで切り返さなければならないし、息もいつまでもは続かない。自然に減衰したり終わりが来るのです。
それが無く、永遠に同じトーンで続くのは、何とも不自然で違和感を感じるはずです。初めてテルミンを聴く人もきっと。
物理的にできてしまうけれど、そこに自分の身体感覚を介して、音の終わりを作るのです。
この曲のMVの終わりあたりは特にその感覚を強く意識して演奏しました。
今日は、こちらの曲で締めたいと思います!