夏のフルーツでひんやりスープ-すいかのガスパチョ-[レシピ#6]

季節の果物には、なぜだか郷愁を誘うものが多いように思います。
中でも「すいか」には、その力が際立っているような。

夏休みにプールから帰って食べるすいかとか、おばあちゃんちに遊びに行くと出される食べ切れないほどたくさん盛られた冷えたすいかとか。
そんな思い出をまとっている、夏の象徴のような食べものです。

今回は、もちろんそのままでもおいしい「すいか」を、暑い日にうれしい冷たいスープにしてみました。本来はトマトをベースにして作るガスパチョをアレンジしたものです。

夏が来て、すいかが気軽に買える値段でスーパーの売り場に並ぶ頃、毎年のように作っているレシピです。

 

■すいかのガスパチョ

すいかのガスパチョ

・材料(2人分)

すいかのガスパチョ材料

すいか(赤い果肉の部分) 400g
バゲット(白い部分) 20g
きゅうり 100g(3/4~1本)
ニンニク 7g(1片)
レモン汁 20g
オリーブオイル 6g
塩 ひとつまみ
黒こしょう 少々
(あれば)ディルやミントなどのハーブ 適量

 

◀Let’s cook!

*以下、それぞれの材料を処理したら、どんどんミキサーやボウルに入れていきます。

①バゲットの皮と白い部分を分け、適当な大きさにちぎる。
*色が濁ることが気にならなければ、皮も使ってOK。
*最初に容器に入れ、その後に入る材料の水分を吸わせてやわらかくする。

②すいかの種を取ってざく切りにする。トッピング用に小さな角切りにしたものを分けておく。

③きゅうりの皮を剥いてざく切りにする。

④ニンニクの皮を剥き、半分に切って芯を取る。ざく切りにする。

⑤レモン汁、オリーブオイル、塩を加えて、液状になるまでミキサーやハンドブレンダーなどで撹拌する。
冷蔵庫で1時間ほど冷やす。

⑥味見をして調整したら器に盛り、角切りにしておいたすいかをトッピングして黒こしょうを散らす。
オリーブオイル(分量外)をまわしかけ、(あれば)ハーブを添える。

*材料の個体差にもよりますが、レモン汁の酸味が強すぎるとすいかの風味が弱くなります。
もしそうなったら、皮を剥いたきゅうりを少し足してみてください。
すいかを足すと甘みも強まりますが、きゅうりを足すことで青みだけを強められ、「ジュース」ではなく「スープ」として仕上げられます。

 

フルーツを「料理」にするためのコツ

私はフルーツをよく料理に取り入れるのですが、その時に気をつけているのが「デザート」に寄らないこと。

頼れる相棒は、「酸味」「塩味」「青み」「スパイス」です。

「酸味」はレモン汁やライム汁、酢などで。
今回のガスパチョではレモン汁を使っていますが、レモンも果実なので主役のフルーツになじみがよく、印象深い調味にならないケースも。
代わりにワインビネガーやバルサミコ酢などを使うと、料理として成り立ちやすくなります。

「塩味」の担い手を塩にする場合、量が多いとフルーツの甘みと合わさることで味が混乱するので、少しずつ慎重に加えます。
フレーク塩を仕上げに振って、ランダムに塩味を感じさせるのも手です。
ランダム塩味を採用するなら、生ハムやケッパー、オリーブなどの食材も重宝します。

マルドンシーソルト

愛用しているフレーク塩・マルドンシーソルト。今は新パッケージになってるみたい。

 

「青み」は野菜っぽい、草っぽい緑の風味。フルーツも植物なので、味の奥の方に感じることが多いです。
(すいかや苺は、探しながら味わってみると「青み」の存在が。…伝わるかな?)
その野菜っぽさを増幅することで、料理に仕立てるという作戦。
きゅうりやピーマン、ゴーヤ、ハーブ類にその役割を担ってもらっています。

「スパイス」もとても頼れる存在。
シナモンやカルダモンは、もともとお菓子にもよく使われるのでフルーツとの親和性が高いです。
これら以外にも、コリアンダーやこしょう、ナツメグなど、いろいろと使っています。

 

「火を使っての料理とか…、無理。」なんて日も訪れる真夏。
切って混ぜるだけの、こんなごちそうめいたスープを用意したら、あとは買ってきた生ハムやチーズ、ピクルス、バゲットなんかを並べて、冷えた白ワインをグラスに注いで。

ぜいたくな夏のディナーに乾杯!

 

 

□ ANOTHER STORY

hakko-bunka

ゆっけ

SHINGO KURONO

ゆっけ