旬の食材練習帖「枝豆」-2023夏編-

私が常備している食材の一つに、冷凍枝豆があります。
利用したことのある方はお分かりかと思いますが、あれって、ま〜便利。
食べたい時に、流水や電子レンジですぐ解凍できて、なによりおいしい。
最近は、産地にこだわったものや”だだちゃ豆”などいろいろな品種のものもあり、一年中楽しむことができます。

しかし一方で、店頭に生のものが並ぶ光景を見ると、茹でたてのはじけるような甘みや旨みが思い出されて、冷凍枝豆の在庫に関わらず購入してしまいます。

そうして手に入れた枝豆ですが、いざ料理しようとキッチンに立つと少し迷いが生まれるのも毎年のこと。
だって、いろんな”おいしい食べ方”の情報があって、どれが自分好みなのか分からないのだもの。

そんな迷いと、今年こそは決別すべく、今回のテーマに取り上げてみました。

まずはシンプルな「塩ゆで」を検証

生の枝豆を楽しむには、なんといっても「塩ゆで」。

いろいろと調べてみて、以下のような選択肢にたどり着きました。

①塩水で茹でるor茹でた後に塩を振る
②さやの先端を切り落とすorそのまま
③塩もみしてから茹でるorそのまま

まさに、いつも私が迷うポイント大全。

まずは①から、レッツ検証。
(茹で時間は、すべて5分で検証しています)

①塩水で茹でるor茹でた後に塩を振る
塩水濃度は、2~4%とレシピによって諸説あり。
茹でた後に塩を振るパターンとの差をはっきりさせたかったので、
今回は4%で茹でてみることに。
これは、塩水を味見をして「しょっぱい」と瞬時に反応するくらいの濃さです。

この塩水で茹でたものと、ただの湯で茹でて塩を振ったものを、
粗熱が取れたタイミングで試食してみました。

「塩水で茹でた方がおいしいだろう」と予想していたのですが、これが意外。
もちろん塩水茹ではおいしいのですが、後から塩を振ったものも、枝豆そのものの味がしっかり感じられて、「これはこれでおいしいな」と思ったのです。

少しお高い「ブランド枝豆」のような品種のものは、後者の方が向いているように感じました。

②さやの先端を切り落とすorそのまま

いつからかよく聞くようになった「先端を切り落として茹でる」という方法。
私もこの方法を知ってから、ひと手間かけて切り落としていました。

ですが、こちらも意外な結果に。

切り落としたものも、そのままのものも、違いを感じることがなかったのです。

もちろん主観なので、この差を感じる方もいらっしゃるのだろうと思いますが、
私は、以後切り落とさずにいくことにします。
(ひと手間減るし)

③塩もみしてから茹でるorそのまま
これは、あまり試したことのない方法です。
塩もみには、産毛を取る(それによって塩味がのりやすくなる)意味があるようです。
塩もみして、洗い流さずそのまま①と同様の塩水で茹でたものを、塩もみしなかったものと食べ比べてみました。

これは、塩もみしたものの方が、味の輪郭がしっかりしておいしかった。
なので、先端を切り落とす手間がなくなったところに、塩もみ工程が加わり、今後の私の枝豆ライフの手間は、プラマイゼロとなったのでした。

【アレンジ】ナンプラーバターの焼き枝豆

枝豆の加熱方法として「焼く」という方法を提案するレシピも。
「そういえばやったことがないな」と、せっかくなのでアレンジフレーバーで挑戦してみました。

少しオリーブオイルを引いたフライパンに、枝豆と塩を入れて火をつける。
焼ける音がしてきたら弱火にして蓋をし、途中で返しながら5分焼く。
バターを加えて、半分くらい溶けたらナンプラーを回し入れる。
食べる時に、レモンを絞る。

焼いた枝豆は、ほっくりした食感で茹でたものと違うのがおもしろかったです。

これ、ありだな。

【アレンジ】スパイス茹で枝豆

これは、今回のテーマを思いついた時に一番やってみたかったアレンジ。

生落花生を、この方法で茹でるレシピを作っていて気に入っているのですが、
その枝豆バージョンはどうなるかな?という実験です。

水に、塩・砂糖・八角・花椒を入れて沸かす。
2分くらい中火でスパイスの風味を出したら、枝豆を入れて4分茹でる。
火を止めて、そのまま冷ます。
(生落花生と、茹で時間を変えています)

枝豆は、落花生よりフレッシュな味わいなのでどうなるかな?と思っていましたが、
いやはや、これ気に入った。

夏っぽいフレッシュさを強めるために、生姜の薄切りを一緒に入れてもよさそう。
とはいえ、実験成功です。

  

  

  

アレンジも挟みましたが、基本の塩ゆで方法は、
①しょっぱいくらいの塩水で(ものによっては真水で)
②先端を切り落とさず、
③塩もみしてから茹でる
ことになりました。

夏の間に、積年の小さなモヤモヤをひとつ解決することができてスッキリ。

せっかく結論が出たので、この夏、また生枝豆を楽しんでみましょうかね。

嫌になるくらい暑い日も多いですが、皆さまも旬のおいしさを楽しんでくださいませ!

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