金沢の欧米インバウンド客は大半が一泊二日。

欧米人の団体客も今年に入って増えてきたました。

金沢へのインバウンド流入

金沢へのインバウンドの流入は7月に入っても衰えていません。一口に欧米人インバウンドと言っても、今年に入ってからは、様々な国々から来訪しています。

アメリカ、フランス、カナダ、スペインのほかに、ノルウェーやチェコ、スロベニア、ホルトガルなど、多様になって来ています。

金沢を訪れるコースは主として三つで、一つは首都圏から北陸新幹線で来る、一つは中部セントレアで降りてバス等で来る、そして一つは関空で降りてJRで北上してくる、の三通りです。

集計されたデータが公にないので、ホテル業者や飲食店からの情報や直接外国人客へのヒアリングを基にして申し上げていますが、どのコースにしても飛騨白川郷の世界遺産合掌造りへの見学がメインで、そこに至るワンステップとして金沢に立ち寄っているというのが実情です。

つまり、白川郷等ヘ行くための宿泊拠点として金沢が位置づけられているわけで、金沢は彼らにとっては主目的ではないセカンダリーな立ち寄り拠点だということになります。でも、どうせ立ち寄るなら事前に調べて楽しもうという感じで、定番の観光スポットは欧米人で賑わっています。

一泊二日の旅程が主流

一泊二日の旅程が主流なので、夜は、「この街はどういうところかな」という感じでそぞろ歩いている欧米人インバウンド客がとても多いです。そのわりに金沢は観光客向けナイト・エンターテインメントが乏しいので、「面白くない街」という認知も広がっていると側聞しました。

受け入れる金沢も少しずつ変化している。

国内観光客にはあまり人気のない『長町武家屋敷』や『兼六園』、『金沢城』などには、意外にも欧米人が多く、江戸期の金沢の建物や雰囲気を残しているからだと思いました。

また、近年の施設としては『金沢21世紀美術館』と『鈴木大拙館』は外国人の来訪が多いようです。『金沢21世紀美術館』は話題性の高いインスタレーションが多く、海外にも知られようになっていて、わざわざここを目当てに来訪するアート愛好の外国人も増えています。先日は、広島の世界遺産見学のあと、『金沢21世紀美術館』を見るためにやって来たというアメリカ人グループに会いました。

『鈴木大拙館』は禅を世界に広めた鈴木大拙の国際的な知名度の高さを反映して、インテリジェントな外国人に人気です。鈴木大拙の生誕地の跡に建てられ、禅を中核とする仏教哲学のエッセンスを感じられる在りようが人気の秘密のようです。

『ひがし茶屋街』はかつての遊郭跡なので、訪れるのを避ける外国人家族連れも多いと、案内通訳士の方々から聞きました。英語では「Higashi Geisha-district」と言うそうですが、「Geisha」という言葉は広く知れ渡っていて、イメージがよくなく、現在の観光庁ガイダンスでは「Hanamachi」と言い直しているようで、今後はそちらが主流になるかも知れません。

家族連れはごく少なく、中高年の外国人が多い。

『尾山神社』や『忍者寺』なども有力なスポットですが、案内通訳士たちが言うには、欧米人の仲には宗教心の強い人たちも多く、事前に説明なしでいきなり連れていくとトラブルになることがある、とのことです。経験的に、説明したあと、3分の1の欧米人が訪問拒否するそうです。

このように金沢の人たちも、どんどん訪れる欧米人観光客の本音や実態を少しずつ知るにつれて、受け入れる側としても変化しているように思います。

 

 

 

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