衝撃的なアプローチ

日本人のやり方ではモード(時代)は作れない

帰国後に大手のアパレル企業にデザイナーとして就職した計良さんは、日本のファッション産業について、ある違和感を感じたそうです。

「僕がいた頃の2000年代のパリは景気も良かったから、次のシーズンのコンセプトを考えて、それに基づいてプロダクトを作り、人々に”衝撃”を与える。そしてその”衝撃”が反動となって売上につながるというサイクルができていた。そしてそんな中でアートのように新しい才能が出てくるのを楽しむ文化もあった。

https://theworldelements.com/set/detail/GGkpmJk/F5QXdxQ

 

 

THE WORLD ELEMENTSさんからインタビューを受けた時にこのように発言しましたね。

具体的に?2000年代初頭って?衝撃とは?

 

 

まずはこのデザイナーですね。フセインチャラヤン氏

ファッション業界の人しか知らないデザイナーかと思いますが、彼のアプローチは衝撃的でした。

まずは Hussein Chalayan S/S 1998から

放送事故か、放送禁止になるか、世界的なバッシングに合うのではないかと心配になるほどの衝撃でした。学校の授業では、「ある一定な宗教要素」をファッションに取り込むのには細心の注意を払えと教育されてきました。ファッションの歴史よりも宗教の歴史が断然長く、そしてそれを愛する人口も断然多く、ファッションを通してしての宗教表現は熟知した宗教知識とその背景理由を持っていないと「なぜ」その服をデザインし、作るのかという根本的な理由を受け取り側に対して答えることができないならば「必要ない」モノとコトになるからと。この動画はある一定の宗教イメージが強く、その宗教に対して挑発的であり、実験的であり、パロディーにも見え、アートと言い切れば言い通せます。「脱いではいけない宗教観に対して、脱がした」というファッションアプローチはどのように我々が解釈して良いのか、頭を悩ませました。当時のヨーロッパにはまだまだ辛口ジャーナリストが多くいたので、このシーズンのチャラヤンは多方面から賛否両論を受けましたね。雑誌や、スタリスト、カメラマンにも多大な影響を与えたし、我々当時の学生にも。

 

 

そして

Hussein Chalayan Fall 1998

 

次にこれ。Hussein Chalayan Spring 1999

 

とにかく衝撃的だったこれ。Hussein Chalayan Autumn Winter 2000

ちょうど専門学生で、この映像はとにかく驚きましたね。家具や建築からファッションデザインに落とし込むアプローチを何度も試みたのを覚えてます。デザインブックや提出課題も立体物にしていったことがあるのですが、チャラヤンの家具の動画の影響です。。。

 

そしてこれ。Hussein Chalayan Fall 2003

 

このファッションショー実は当時現場でリアルタイムで観てました。場所はどこだっかか、、北駅の近くの劇場見たいな場所でしたね。友人の紹介で入場券をもらったような。トランポリンで飛ぶ。そして最後に服が膨らむ。すごかったです。そしてまた驚きだったのが会場の入り口で中田英寿氏にすれ違うという奇跡。イタリアからパリまでわざわざファッションショーを見に来てました。スタイリストの祐真氏と一緒に同行していような。

 

 

最後にこれ。Hussein Chalayan Spring 2007

ショー開催中に拍手が起きるとか、さすがパリコレです。世界のジャーナリストやバイヤーのリアクションは素直で素晴らしいですね。洋服が自動的に動くというアプローチ、これも全くなかったです。チャラヤンが初めて試みた実験的なアプローチでしょう。

とにかく、毎シーズンワクワクさせてくれたチャラヤン氏。次は何を見せてくれるか、何をやってくれるか?早く見たいと思わせられ、ドキドキしてました。

 

最近のファッション業界にはドキドキやワクワクがなくなってしまいましたね。

 

 

そんな、ワクワクを自身の仕事につなげていきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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