2000年。骨董通り。

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表参道で働きたくて、バイト情報誌をみて電話して東京で初めてバイトしだした骨董通りにあるソーセージレストランスモーキーが閉店。
30年以上も続いていた骨董通りの名店でした。
2000年代初頭の骨董通りはまだまだ賑やかで人通りも多く、隣にはブルーノートがあり、パパスカフェでお茶するのがステイタスの時代。
マックスマーラで待ち合わせして、コムデギャルソンを通り抜けて、ヘルムートラングの隣。
なんどもなんども歩いた骨董通り。
あのお客様有名なデザイナーさんだよ。
あの人達ギャルソンの本社の人だよ。
と店長から紹介され、テラス席でランチをしてる大人に憧れてた。
理不尽に怒られたり、厨房とホールで喧嘩したり、賄いを一緒に食べたり、イタリアで修行してた料理人に影響受けたり、フランスから帰ってきてお金ない時にまたバイトさせてもらったり、サンダル履いてTシャツ着てるお客さんからチップで1000円もらったり、そのお客さんがアメックスのブラックカードだったり、女性を落とそうと必死に口説いてる現場を見たり、とにかく社会を学んだのがここだったし。バイトの仲間とも今でも親交が続いているし。
ワインの基本、ワインの開け方、サーバーの使い方、シェアの仕方、グラッパの飲み方、全てを習った大人へのワンステップだった。
「店」は生き物で、人と空気感でできていたと今思い返してる。
あの店長がいないと空気が違ったり、あの店長のサービスにお金を払うと人がいたり。あの店員に会いに来たり。あの人が居ないと自然と空気が違いお客様に察しられ、居心地が悪くなる。気の利いた一言のタイミングや、お皿を下げるタイミング、滞在時間と食事時間のバランス。お客様とお客様の席の距離感と職業柄の相性や性別、年齢、いつもの場所を好む人。ホールと厨房の掛け合いと料理の出る間。喋りたい人と、喋りたくない人、雨の日とハレの日。
店長がかわり、料理人も変わる。バイトちゃんも変わる。そうすると店が変わる。

レストランスモーキー跡地がどんな店になるかまた骨董通りを歩くのが楽しみだ。

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