スポーツビジネスを成長させる「社内外チーム」と「働き方改革」の話

今回は、スポーツビジネスを成長させる「社内外チーム」と「働き方改革」について書いてみます。

■ 厚生労働省が推進する「働き方改革」が「副業解禁」にも影響

まずは、平成の最後に厚生労働省が推進する「働き方改革」の中で「副業解禁」の流れが起こり、社員として働く人たちが、一つの会社からの収入だけではなく、副業からも収入を得ていこうという動きがあります。

こうした「働き方改革」を推進する背景としては「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などが挙げられています。

それ以外にも、長時間労働が是正され、自分の時間がつくりやすくなってきたこと、終身雇用が崩壊するなどして将来の先行きが不安なため、自分のキャリア形成のために、スキルを獲得するために本業以外にも仕事をしたいと考える人たちが増えているために「副業」に注目が集まっているのです。


(社内外のチームで実施しているイベント「アクティブキッズキャンプ」)

■ 現在起きている”しごと”の変化

「副業解禁」して、実際に就業する人が増えている現状があります。そこには、上記のような職業に対する価値観の変化もあることですが、もう一つ大きな波は「ITツールの進化」です。

「ITツールの進化」によって、職場に行かず、オンラインで仕事に関与できるツールが普及してきていることも、こうした「副業」への変化を後押ししています。

■ これから起こるであろう”しごと”の変化

これから発達するAIに仕事を奪われるという論調で語られていますが、単純労働のロボット化はすでに起きていたことです。AIはそこから何が異なるか?というと、自己学習能力を持っているのです。

単純作業に加えて、機械の方が自らデータを蓄積して賢くなるため、ミスが減りできることの幅が増える。つまり、AIが発達することで、知的労働の一部も仕事を奪われていくと言われています。

ITでは自己学習するロボットがデータを蓄積します。例えば、SNSであれば、利用者のデータを溜め込み、この記事に興味が湧きそうな人に対して、情報が届いていることと思います。

もっと身近なものであれば車の自動運転などもそうです。専門的な仕事であった、税理士さんなり証券会社さんなどの仕事もAIに置き換えられていく可能性があるのです。

これから未来の”しごと”の変化は、単純労働だけでなく、知的労働の一部が機械に置き換わる。そうなると、多くの人の労働時間がカットされ、人の時間が余るのではないか、と言われています。

産業の改革の流れと並行し、個の時代へのシフトも起きている。つまり、組織ではなく、個人に向けて仕事が舞い込むような流れも起こっています。(個の時代に関しての変化についての詳細は割愛しますが)

人の時間が余ることで、副業の波が起こりやすくなりますし、余暇時間が増えることによってスポーツに取り組む人たちも増えていく可能性がある。この両方の側面によってスポーツビジネスの働き方にも影響があると予想できます。

ここまで前置きが長くなりましたが、この前提がある中で、今回の題材であるスポーツビジネスを成長させる「社内外チーム」の話を掘り下げます。

■ スポーツビジネスを成長させる「社内外チーム」の話とは何か

スポーツビジネスを成長させる「社内外チーム」とは、どういうことか。読んで字のごとく、スポーツビジネスも「社内外チーム」をつくり、成長をさせていくことが可能なのではないか?ということです。(ここでの“スポーツビジネス”とは、リーグや協会、プロスポーツチームなどの仕事を指しています)

国内フェンシングの統括団体であるフェンシング協会が、副業・兼業限定で「プロデューサー」を募集するなども、話題をさらいました。

参考:日本フェンシング協会が副業・兼業限定の戦略プロデューサーをビズリーチで募集民間のプロ人材4名(30~50代)を採用

■ 社内外のチームが一般的な業界もある

この話を掘り下げる前に、前提としてですが、社内外のチームが一般的な業界もあります。

例えば、映画なり、テレビなどの職種になると、プロデューサー、監督(ディレクター)、出演者、スタイリスト、クリエイターなど様々な職種のプロが集まって、一定期間はそのチームで動きます。広告の制作(広告代理店)などでも似たようなチームの作られ方で仕事をすることが多いと思います。ウェブ制作の世界でもそれは当てはまりますね。

こうした社内外のチームで行われてきているような仕事が、スポーツビジネスでも増えていくと考えています。


(東京有明で実施しているアクティブキッズフェスタも外部チームで連携)

■ スポーツビジネスの「副業」が増えると思う理由、その要因は以下の5つ

① 働き方改革が起きている
② IT化による業務改革でオンラインでの仕事に直結
③ 2020五輪などを契機にスポーツの波がきている
④ スポーツ自体が人気職種なので人が集まりやすい
⑤ スポーツの仕事がプロジェクト型(一定期間)のことが多い

スポーツにも起きてくる可能性というのは、前述した通り、社会の変化があること。そしてスポーツに関しては、特に後者の3つ。この3つはスポーツ特有に起きている流れだと思っています。

■ 社内外のメンバーで「チーム」がつられていく時代に機能しやすい形の仮説

社内外のメンバーで「チーム」がつられていく時代に、機能しやすい形はどんな形かというと「コンテンツホルダー(プロスポーツチーム、リーグ、統括団体などのコンテンツ保有者側)」または「仕事が集まりまくるタレント的な個人」これらを、組織内に集めたチームをつくることではないかと考えています。

起案する人、案件が集まる人、それらを実現に向けてプロ職種を含めたメンバーが実現に持っていく。

私も、こうした流れの中で、「社内外チーム」でコンテンツをつくり、さまざまなイベントコンテンツを実施しています。


(こちらのキャンプイベントでは、キャンプに精通した外部チームと連携)

5月3日に東京都の福生市にて初めて開催したDAY CAMPのスポーツイベント「アクティブキッズキャンプ」。私はアウトドアに詳しくないため、キャンプに精通した外部チームと連携をして、イベントのプランニングを行いました。

本イベントは、個人や副業として、会社として協業する会社などが連携しています。こうしたイベント制作の場合は、プロジェクト型のため、外部チームとの連携がしやすいのです。

現時点でも「社内外チーム」を構築して動いている段階ではありますが、こうした社会の変化を受け、もう少し大きな動きができるのではないかとの感触がありますし、これからも様々な動きにチャレンジしたいと考えています。

スポーツビジネスに取り組んでみたい方、または、自身のスポーツビジネスをさらに成長させてみたいと考えている方は、ぜひ「社内外チーム」を検討してみてはいかがでしょうか?

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