ここ、北越後新発田の菊水でも田植えの時期を迎えました。(2020年5月2日)
「酒米菊水」の田植え
例年、菊水酒造では酒造りに使う「酒米菊水」の田植えを社員と協力農家の方々、そして近隣地域の皆さんと一緒に行っています。今年の春は、新型コロナウィルス感染拡大を防ぐことを優先とし、菊水社員だけで実施しました。
北越後の大地の恵みを醸す意味
私たちは、米の産地の特徴つまり“テロワール”に加え、蔵人の技術や蔵元の考えがあいまって日本酒の“個性”が形成されると考えていますから、我々の社名と同じ名を持つこの酒米「菊水」の小さな苗を、手作業により植え、秋の収穫の時期まで稲の成長を見守り、そして秋に収穫した米で酒を醸すことはとても大切な意味があるのです。
わずか25粒の種籾から復活した酒米菊水
酒米菊水は1937年に愛知県にて誕生しました。酒の原料米として大変優れた性質を持ちながら、戦中の食糧難により姿を消した品種です。1997年にわずか25粒の種籾から、新潟の専門農家グループ「㈲共生の大地にいがた21」の手により復活させることに成功しました。私たちはこの米で酒を醸すことに意気込みを感じ、2000年冬より『酒米菊水 純米大吟醸』を醸造しています。
手作業の田植えに込めた思い
菊水の酒造りという仕事は良い自然環境があってこそできるものです。その良い自然環境を皆さんに実際に体感していただくため、昔ながらの作業方法での田植えや稲刈りの作業を通じて田んぼの感触などを身体で感じてもらうことに大きな意味があると考えています。
↑↑過去の田植えイベントの様子
現在では様々な情報が世の中にあふれていますが、そんな中でも五感をフルに使って聞いたり見たり、触れたりする実体験を通じて自然環境を意識し、一緒に新発田の自然の恵みから菊水の酒が生まれていることを実感し、より一層の美味しさを知っていただきたいと思うのです。
令和2年の田植え。
5月2日快晴の青空の早朝、菊水の蔵人の姿が新発田の田んぼにありました。
世の中の情勢に柔軟に対応していくことはもちろんですが、北越後の自然の恵みに感謝し、地域の方々と一緒に分かち合い、美味しい酒や発酵食品をつくることでお返していく、根底にあるこの思いは変わることはありません。
この秋にはいつものように皆で収穫祭を行い、集まって美味しいお酒が飲めることを祈ってやみません。
酒米菊水を原材料にしたお酒はこちら▶「酒米菊水純米大吟醸」 「酒米菊水純米大吟醸原酒」