こんにちは。ケルト音楽専門の楽器店を2店経営している、笛奏者のhataoです。この連載では、起業10年目の私がスモールビジネスの経営についてお話をしています。
今回は、本媒体BREWで連載2年目となる私確認しました、ありがとうございます!
公開ください。
@丸山大貴 これをもとにブログやSNS記事を書いてください。が、ビジネスと文章力との関わりについてお伝えします。
文章を書いていますか?
社会人の皆さんは日頃、どのくらい文章を書いていますか。販売レポートや企画書など仕事で必要となり文章を書く機会もあるでしょう。ここではそういった業務的な文章ではなく、読者を想定して一つのテーマを決め、文章にまとめることを指しています。
例えば好きな映画の魅力や最近感動した出来事について、あなたを知らない人に文章で伝えられるでしょうか。
私は学生時代から文章を書くのが好きで、高校生の頃から毎日日記を書き、大学生になるとブログでエッセーのようなものを発表してきました。大学卒業後に2年ほど企業で働いていた時期も、仕事では文章を書く機会が全くありませんでしたが、ブログやSNSで文章を発表し続けていました。
文章にはさまざまなスタイルがありますが、私が書くのは誰かを喜ばせたりするためではありません。経験や思考を消化し自分の中に落とし込むためです。何かに感動したり悔しい思いをしたり、感情が高まると文章を書きたいという欲求が高まるのです。おしゃべりをして気持ちを吐き出したい人がいるように、私は文章を書くことで癒やされているのでしょう。
起業して文章力が強みに
現在の仕事である楽器店を起業してからは、この経験が大変役に立ちました。
スモールビジネスの経営では、自分の商品やサービスの魅力をお客様に知っていただかなければ、生きていくことはできません。そのためには正確な文章が書けること、感情を込めて商品が持つストーリーを伝えられることが大切です。また起業にかけた思い、苦労や努力していることなど、自分やスタッフの人間的な側面をお客様に知っていただくためにも、文章は必要となります。
当店では、商品紹介をはじめ、ホームページの記事、ブログ、コラム、SNS、メルマガなどの文章を私が執筆しています。また日々、仕事上で何十通というメールを書いてもいます。業態としては輸入販売業ですが、私の仕事の大半は文章を書くことだと言っても言い過ぎではないでしょう。
これらの業務に加えて、現在まで10冊の教則本を執筆し、本誌Brewでは副業としてライターも担当させていただいています。最近はCDレビュー、CDジャケットの帯の推薦文などの原稿依頼もいただくようになりました。私の文章は決して上手だとは思いません。ひねりもユーモアもありません。しかし文章を書けることで、仕事の幅が広がっていることは確かです。
動画全盛の時代も文字コンテンツは衰退しない
最近はYouTubeが全盛です。料理の作り方や機材の使い方を調べる際に、書籍やインターネット検索ではなく、YouTubeで調べるという人が多いのではないでしょうか。
動画検索は、その道のエキスパートが映像と音声で解説してくれるので理解しやすいというメリットがあります。その反面、動画には一覧性や検索性がないため、自分が求める情報にたどり着けず、延々と動画を見続ける結果になるという面倒臭さもあります。
動画を再生している間は目も耳も奪われるので、その再生時間分だけ確実に時間がなくなってしまいます。
その点で文章は一覧性と検索性に優れており、必要な箇所だけをつまみ読みしたり、流し読みで全体を理解することができる利点があります。動画コンテンツがどれほど充実しようとも、文章力の重要性が損なわれることはありません。
文章を書ける人は少ない
社会人にとって文章力は必須のスキルです。しかし誰もが私のように文章を書くのが好きなわけではありません。1通のメールを書くのですら、何度も推敲して長い時間がかかってしまう人もいるようです。
そのことは知人のFacebookの投稿からも感じています。まとまった量の文章を書く人は少なく、写真と数行で投稿する人が主流です。TwitterやFacebookやInstagramといったSNSが普及したのは、短い文章でも投稿しやすいからという理由もあるのではないでしょうか。
おそらく、多くの人にとって作文への苦手意識があるのでしょう。だからこそ文章力は強みとなります。
文章力は鍛えられる
商品をアピールしなくてはいけないなど仕事で文章を書く必要性があるならば、鍛えるしかありません。商品の魅力を、社長であるあなた以上に知っている人はいないからです。
普段まったく文章を書かない人は、手初めにTwitterの投稿を日課にしてみてはいかがでしょうか。Twitterには140文字の制約がありますから、書きたいことの贅肉を削ぎ落とし、読者に伝わりやすく書く良い練習になります。
Twitterは1行だけの「つぶやき」でも投稿できてしまいますが、練習ですから140文字めいっぱい使って書きましょう。1つの投稿で読者が文章の趣旨を把握できるように書いてください。
ちょっと恥ずかしいのですが、私のTwitterで今回の記事を137文字にまとめてみました。
経営者にとって文章力は武器になる。文字は商品サービスの魅力や経営者の思いを伝える優れた手段だからだ。
まとまった文章を書ける人は少ない。だからこそ強みとなるのだ。
文章力は練習で鍛えることができる。日々の運動のように、毎日短文でもいいから人に読まれることを意識して描いてみよう。— ケルトの笛 hatao (@hatao_flute) July 16, 2021
ポイントは日記のように自分だけが読むために書くのでなく、人に読まれることを意識して何度も読み直すことです。すると自然で読みやすく流れのよい文章になるでしょう。
文章を書き慣れていない人にとっては、作文は芸術家が音楽や絵を創作するかのごとく、つかみどころがない行為だと思われるかもしれません。しかし作文にはルールやポイントがあります。それはスポーツや料理、車の運転のように、技術を獲得しさえすれば、誰にでもできることです。
技術的なことについてここでは詳しく書くことは控えますが、この記事を読んで文章力の必要性を感じた方は、「文章力を鍛える」「文章の書き方」等のワードで記事、書籍、動画を検索してみてください。ポイントを学んだら、あとは実践あるのみです! 良い文章が書けたら私にも教えてくださいね。
それではまた次回!