料理という日常に、ささやかなときめきを。

はじめまして。さなえごはんと申します。

日頃は、ハーブやスパイス、フルーツなどを使った料理をSNSで発信したり、ケータリングやレシピ提案などを行っています。食いしん坊と呑兵衛を2大属性として生きています。

ご縁をいただき、この度BREWに記事を書かせていただくこととなりました。

ひとまず、自己紹介をば。(ちょっと長くて、けっこう暗いです)

 

▶さなえごはんのこれまで

編集者になる夢破れ、視線を落としてあてもなく歩いていた私がたどり着いたのは、アメリカ・ワシントンD.C.のジョージタウンにあったDean & Delucaでした。

当時、日本上陸前だったそこに足を踏み入れると、出迎えてくれたのはカラフルでボリュームたっぷりの花や緑。普通のスーパーマーケットだと思って入ったので、思わず息をのみ、圧倒されました。

誘われるように目線を上げれば、野菜や果物、チーズ、パン、デリカテッセン、ワイン、食器などがずらりと揃えられた光景が広がって、そこを白いコックコートのスタッフたちが楽し気に行き交い、テラスからは食事とワインを楽しむ笑い声が聞こえてきたのでした。

瞬間、泣きそうになったのを(いや、実際泣いたかも)覚えています。

突然、世界がフルカラーになって、初めて耳が聞こえるようになったような衝撃だったな。

 

終電に駆け込む日々。ごはんも適当なものを急いで口に押し込んだり、食後の仕事を思って憂鬱と一緒に飲み下したり。

自分なりに頑張っても、新卒で甘えの抜けない新入社員はなかなか仕事を上手くこなせず、「担当書籍を仕上げれば辛さがやりがいに変わるかも」と文字通り歯を食いしばって作り上げた本を手にして沸き上がったのは「これじゃない」という悲しい確信でした。

そんな失意の闇の中にいた私にその光景は、生活を、生きることを楽しんでいいんだと、大げさだけど許されたような気持ちにさせてくれたのです。

 

そんなきっかけから食にまつわる仕事を志して食いしん坊を全面に打ち出した人生を歩み、気づけばケータリングしたり、レシピを考案したりする「さなえごはん」になっておりました。

ありがとう、ジョージタウン。

ありがとう、あの日のDean & Deluca。

 

ケータリングしたり。

 

レシピや画像を提供したり。

 

 ▶さなえごはんのこれから

「食べること」は、生活からどうしたって切り離せないものです。でも忙しかったり疲れていたり、買って食べるだけで精一杯の日も、食べることすらスキップしちゃう日も、そりゃあります。

毎日3回も訪れることだもの、買うか作るか外食か、どうするか考えるだけでも大変。料理は苦痛な家事1位だとか、そりゃテレビニュースも言います。

 

でも。

いつものお刺身をオレンジのソースでカルパッチョにしてみる、とか。

いつものトマトソースにナツメグ入れると冬っぽいよ、とか。

いつものフルーツを柚子胡椒で和えてプロシュート添えるとつまみになる、とか。

 

サーモン&オレンジ&コリアンダーシード&ミント

 

それならできそうだなって、材料を買いに行ってみようかなって、ちょっとワクワクしたりしませんか?

 

時短、簡単、もちろん大事。私も、冷蔵庫にあるものだけ適当に炒めたり、溶いた玉子をレンジにかけてケチャップで食べたり、そんなのしょっちゅうだし、時短・簡単な上においしいレシピは、世にたくさん発信されています。

そんな日々の料理という営みに、いつもとちょっと違う材料や工程を提案して、小さな花束を添えるようなときめきを、時々でも届けられたらいいなと思って発信を続けています。

私のレシピのことを「あれを作るんだ、と買い物に行くことから楽しくしてくれる」と言ってもらったことがあるのですが、「まさにそれ!伝わってる!」感で思わず目が潤みました。

 

食べることは毎日のことだから、少しでも楽しく嬉しくあってほしい。

かの日の私のように、そこに感じるときめきで、ちょっとでも救われることがあったらいいな。

そんな思いで、料理やその周辺のことを綴っていこうと思っています。

 

お好きなお酒やお気に入りの飲みものを片手に、お付き合いいただけますと嬉しいです。

ではまた。

 

□ ANOTHER STORY

Saki Nakui

SHINGO KURONO

さなえごはん

SHINGO KURONO