「くさや」は母の味 #68

みなさま、秋の気配を感じる昨今、いかがお過ごしですか?

私マチコは、菊水の日本酒「無冠帝」をいただくとき、必ず食べたくなるものがあります。

涼しくなってきて、今その食べたさがピークを迎えております。

それは「くさや」

くさや、ご存じでしょうか?

伊豆諸島の特産品で、アジやトビウオを「くさや液」という魚醤のような液につけた干物です。

祖父が新島の出身で、母も幼少期は新島で過ごしました。叔父は今でも伊豆大島在住で、実家に「くさや」「明日葉」「さざえ」など、島のものをよく送ってくれました。

そんなこんなで家には日常的にくさやがありました。

私は幼少のころから母がトースターで焼いてほぐしたくさやを、よくおやつに食べていました。

ちなみに母の大学の卒業論文は「くさや」だったらしいです…。

 

母の味「くさや」

まとめて焼いてほぐしたものが、ネスカフェゴールドブレンドの空き瓶に詰められ、キッチンの棚にありました。

くさやをまとめて焼くとき、家はくさやの匂いに包まれます。それは私にとって至福のひとときでしたが、大人になって、どうやら私の大好きなくさやは、臭いものに分類されるようだということを知るのです。鮒寿司、ドリアン、くさや、というポジション。

実家にいた頃は、食卓で母と弟とくさやを食べていましたが、よくよく考えてみると、実家を出てから、一緒に楽しく、くさやを食べる相手がいません。

でも、くさやを愛する人は日本中にたくさんいるのです。探せばきっと近くにいるはず!

2022年は、くさや友達を探したいと思います。

 

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