若者観光客の4大必食は、金沢カレー、金沢おでん、回転寿司、海鮮丼。

金沢観光の来訪客クラスター分析をちょっと離れて、若者観光客の必食である金沢カレー、金沢おでん、回転寿司、海鮮丼について書いておきます。

金沢カレーとは

金沢カレーは、ステンレス製の特殊な皿にライス、カレー、キャベツを盛り込んだもので、そのような仕様のカレーライス全般を指しますが、味わいは各店でかなり異なります。

金沢カレーは出自や歴史が明確にされていて、昭和時代に金沢駅近くにあった『レストランニューカナザワ』で誕生し、このお店で働いていた料理人たちが独立して同じ仕様でそれぞれ始めたカレーライスとされています。

商標は登記されていないので、名乗るのは自由ですが、この『レストランニューカナザワ』の人脈系譜に属さないお店は、金沢カレーと称しても金沢市民は認めない傾向があります。

若い観光客はネットで調べて来るのでしょうが、市内中心部の系譜にある金沢カレー店に行列を成し、市民は郊外のお店に行くことが多いです。

ちなみに、金沢カレーと最初に命名したのは、私の知る限りですが、フリーアナウンサーの徳光和夫さんだと思います。

『カレーのチャンピオン』ホームページより

金沢おでんの特徴

金沢おでんは、赤巻、バイ貝、車麩、源助だいこん、ふかし、ひろず、など金沢ゆかりのおでんネタを指しています。

それらのネタは他県ではなかなか見られないので、人気が出たようです。秋冬になると、市内中心部のおでん屋さんに観光客が行列をつくるので、市民はなかなか行けなくなり、自宅で楽しむ人が増えているのではないでしょうか。

命名者は明確ではありませんが、私の記憶では、NHK『ためしてがってん』が一度金沢放送局でオンエアされていて、その時に発せられたと思います。

金沢の回転寿司

金沢の回転寿司は、回らない寿司店よりもネタがいいということで、若者だけでなく、中高年観光客の必食にもなっています。

その背景には、地元に有力な回転寿司チェーンが4社、独立店が数社あり、日々よい意味で競争しているので、自然とレベルが上がって来たということがあります。

例えば、能登や富山の漁港から直接仕入れる、あるいは腕のいい寿司職人を養成するなど、様々な企業努力が奏功した結果です。

さらには、石川県は回転寿司ベルトコンベア一大生産拠点であるという背景もあります。

近江町市場の海鮮丼

海鮮丼は、昭和末期に近江町市場に海鮮丼の店が出来て、新幹線開業以降、一気に増え、今ではどこも行列が付くほど盛況となっています。

ただし、海鮮丼専門店の大半は近江町市場にあり、街のあちこちにあるというものではないです。

近江町市場が新鮮な魚介類を生の姿で売っていますので、そのイメージの延長上にそれらの海鮮丼店があるからでしょう。ちなみに、金沢市民は鮮丼はほぼ食べません。金沢由来の食べ物ではないので、もともと食べる習慣がないのです。

金沢旅行の典型は一泊二食旅程で、食事の機会は4度ありますので、これら4つの必食アイテムをどのようにはめ込むのかが、旅行前準備の最大課題と聞いたことがあります。そのような事情からでしょうか、朝早くから営業している海鮮丼店や金沢おでん店もで出来ました。

金沢の食文化も大きく変容しはじめているということです。

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藤潤

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