はじめまして。
今日からBREWで記事を書かせていただくことになりました、
mimom(ミモン)と申します。
デザイン事務所でデザイナーをしながら、
mimomの名前で3Dソフトを使って絵を描いています。
▼こんな絵を描いています
普段まともに文章を書かないので、お話したいことにボキャブラリーが追いつくか既に心配ですが、初回の今日は、作品を描く上で意識していることについて少しお話しします。
どうして3Dソフト?
「どういう経緯で3Dソフトで描いているの?」とたまに聞かれるのですが、描きたいものがあって、それを絵筆で描くのか・鉛筆で描くのか選ぶのと同一線上に、3Dソフトで描くという選択肢があったというだけで、特別な理由は無いです。
ただ、そこで鉛筆を選ばなかったのは、2次元のグラフィックを仕事にしていたので、何か新しい方法を試したかったのと、空間(XYだけではなくZ軸のある絵)を描きたいという考えはあったものの、物体のパースを正しく描いたり、光源を考慮して陰影を描くことが苦手だったから。
3Dソフト上で四角い箱をモデリングすれば、自分で描かなくとも、自動的にパースや影が付いてくれるので、こりゃいいな・・・と。
言ってしまえば横着したわけですが、結果的に今の自分に合っているようです。
描くより、粘土をこねている感覚に近い
3Dソフトで描くということは、3次元の空間上で物体の形を作り(=モデリング)→写真を撮ること(=レンダリング)にあたります。ここまで「描く」という言葉を使ってきましたが、実際は描くというより、手で粘土をこねている感覚に近いです。紙に鉛筆で引いた線が絵の印象を左右するように、どういった形を作るかで3DCGの印象は変わります。
物体としての存在感
形を作る上で一番意識しているのが、物体としての存在感を持たせることです。3DCGで描く架空の世界はあくまでデータ上のもので実態の無いものですが、物体として存在しているかのように感じられる絵作りを意識しています。これは形だけではなく、作品の中での質感や色の考え方にも繋がっています。
自然な丸みのある形
形についてもう少し具体的にお話します。
例えば、タンスの形を作る場合。
ミニチュアでタンスを作るとして、バルサ材や厚紙を切って箱を作り、上から布を貼るとします。そうすると、どんなにピッタリ貼ったとしても布の厚みがあるので、自然と角が少し丸まります。さらに粘土の場合、親指と人差し指でギュッギュと挟んで作った角は、半径Xmmなど割り切った数字では言い表せない、ゆるやかな丸みがつきます。
そういった素材や手によって生まれる丸みを、描きたいモチーフや世界観に合わせて選んで付けるようにしています。
▼タンスを描いてみる
どちらも同じ素材、同じ色で着色していますが、
左は木材にペンキで色をつけて作った少し固くてしっかりしたタンス。
右は粘土で作った柔らかいタンスをイメージしています。
・・・と、ちょっとフェティシズムな話になってしまったところで今回は終わりにします。
こんな作品に関する小話を、今後何回かに渡り綴っていきますので、
のぞいていただけたら嬉しいです。
ではまた・・・!
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mimom/デザイナー
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1990年福島県生まれ。
2012年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻修了。
デザイン事務所に所属し、ロゴ・広告・パッケージなどグラフィックデザインを手がける傍、
3Dソフトを使い、デフォルメした日常風景や架空の世界を描くデザイナーとして活動。
HP:mimomweb.com
twitter:@m_mimom
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