きもの・浴衣に合わせるのは草履や下駄だけじゃない!?
■まずは基本を押さえておきましょう
前回の記事では浴衣のバッグ問題を取り上げましたが、バッグと同様にいざというとき悩みがちなのが履き物。今回は履き物について書こうと思います。
和装の履き物というと「草履」や「下駄」を思い浮かべる人が多いと思います。カジュアルな装いには、下駄や洒落草履、セミフォーマル以上は草履を合わせるのがセオリー。男性は雪駄も選べますね。
浴衣に下駄は誰しもが思い浮かべる組み合わせ。下駄のカラコロ鳴る音に夏らしさを感じる人も少なくないと思います。
でも実は、下駄は浴衣の時以外でも履くことができるのをご存知でしたか?
夏以外でもウールや木綿、ポリエステルなどのカジュアルなきものに足袋を履いて下駄を合わせることができます。反対に、浴衣に草履を合わせることもできます。その場合は足袋を着用してくださいね。柄足袋やレース足袋などを選べばカジュアル感が増して足元のおしゃれを存分に楽しめます♪
男性も同じ選び方で問題ありません。足袋に関しては、男性が白を履くのはほとんどフォーマルシーンのみで、色足袋が多く用いられます。グレー、紺、臙脂などお好きな色からトライしてみてください。
きものと靴のコーデ&バランス徹底解説!
これまでの記事でもきものに洋装アイテムを合わせる着こなしを多数ご紹介してきましたが、なかでも最も取り入れやすいのが「靴」なんです。
草履や下駄を履き慣れない人には鼻緒擦れなどのトラブルを避けられるというメリットもあります。今回はきものと靴のコーディネートの妙をたっぷりお見せしつつ、丈の合わせ方などのバランスをひとつひとつ解説していきます。
①ハイヒール
きものにヒール?と思われるかも知れませんが、実はきものとハイヒールの相性はとってもいいのです。写真は10センチヒールのストラップサンダルを合わせています。ヒールのタイプはピンヒールでもチャンクヒールでもウェッジソールでも合いますが、全体的に華奢なデザインの方がバランスを取りやすいです。サンダルのほか、パンプスもよく合いますよ。
靴選びのコツ:ビギナーさんは華奢なデザインを。ヒール高は5~10センチがベスト
着付けのポイント:丈は足首がしっかり出るくらい短く。両方のつま先を20センチ以上上げてオーバー気味に裾すぼまりにすると美しいシルエットに!
コーディネートアイディア:カラータイツや柄ソックスを組み合わせて個性的に◎
②ショートブーツ
取り入れやすく失敗しにくいのがショートブーツ!写真のようなマーチンタイプのほか、サイドゴア、ムートンなどどんな形でも合わせやすいのでビギナーさんや男性にもおすすめです。ブーツではありませんがコンバースのハイカットもとてもよく合いますよ!
靴選びのコツ:ある程度シャフト(足首部分)の高さがあるものを選びましょう。ビギナーさんは細身のタイプが難易度低めです!
着付けのポイント:丈はブーツの高さと同じくらいが目安。ムートンなどボリュームのあるブーツの場合は重たく見えないよう短めにし、帯位置を高めにするなどすっきりしたシルエットを心がけるとスタイルよく見えます
コーディネートアイディア:柄ソックスを履いておくと、歩いたときや座ったときにチラッと見えておしゃれ!
ショートブーツはきものと相性二重丸◎
③ブーティ
きものに最も合わせやすいのが、実はブーティなんです。形やヒールの高さにかかわらずバランスよく着られてスタイル良く見えるのでとてもおすすめ。ちなみに写真右は裾除けの代わりにプリーツスカートを履きローファーを合わせています。
靴選びのコツ:写真のようなレザー素材でレースアップだと大正ロマン風できものに合わせやすいのビギナーさんはこのタイプから取り入れるのがいいかも。ヒールは5~7センチ程度がベストです。
着付けのポイント:丈はくるぶしがぎりぎり隠れる程度に短めに。ややきつめの裾すぼまりを意識してみて。帯を高めにするとより足長効果を狙えます!
コーディネートアイディア:アンティークきものなら大正ロマン風、現代風な幾何学模様ならモダンに、きものに合わせてタイツやバッグなどの小物もトータルでコーディネートを楽しんで!
④ボリュームスニーカー
普通のスニーカーももちろんよく合うのですが、流行りのボリューミーなスニーカーで個性的な着こなしに挑戦してみませんか?足元から一気に気分が変わってコーディネートを考えるのが楽しくなるはず!
靴選びのコツ:ぜひ振り切った個性的なものを。ど派手な色や装飾で足元が一番目立つスタイリングを目指しましょう!
着付けのポイント:丈が長くなると重心が下がりすぎて野暮ったく見えてしまうので短めを意識してくるぶしがぎりぎり出るくらい、ハイカット・ミドルカットならスニーカーがちょうど出るくらいを狙います。
コーディネートアイディア:ど派手な靴を選ぶなら、コーディネートは靴が主役か全身同じテンションで盛るかのいずれか。スポーティな靴下を合わせたり、キャップやメッセンジャーバッグなどの小物でトータルコーディネートを楽しんで。
⑤ビーチサンダル
形状では下駄に一番近いビーチサンダルですが、浴衣に合わせるにはコツが要ります。どうしても気軽さが前面にでてしまうので「つっかけ感」を感じさせなくさせる必要があります(とことんゆるくした部屋着風の着こなしならアリかも知れませんが!)。
靴選びのコツ:ソールが薄ければ薄いほど気軽さが増しますので厚底タイプがおすすめ。鼻緒にビーズなどの装飾があるものもいいですね。
着付けのポイント:丈は下駄のときと同じくらい、つまりくるぶしがぎりぎり隠れるくらいでOK。上級者には敢えてちょっと着崩した気怠い雰囲気の着付けも素敵です。
コーディネートアイディア:写真のように柄足袋を合わせると一気にきもの感が増します。反対にネイルやトゥーリングでリゾート風に盛るのもかわいい!
あなたのシューズボックスにも浴衣に合わせて履けそうな靴がきっとあるはず。セオリーに捕らわれず、自由なおしゃれを楽しんでくださいね!