ないと困るもの

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体内直接投与の劇薬、精神感情面への劇薬、劇薬に溺れる私
例えば、美味しいカレー屋さんがどんどん増えて禁断症状が出てしまうほど、カレー中毒になるとか

赤い扉の中の酒場に翻弄されて、ボトルキープを何本もして、毎晩通ってしまうとか

フランスの葡萄畑に行き、葡萄を摘み食いしてしまうくらい、アルザスのピノグリのグラスに浸ってしまうとか

美味しい白米を食べることを追求しすぎて、品種を食べ比べるだけでなく、自宅のキッチンに、各メーカーの炊飯器を、あれやこれやと買い揃え試してしまう夫婦がいたり
「俺にとって奥さんは劇薬なんだ」と言う知人がいる
そして、先日私は、神奈川県民ホールでの、久しぶりの生のライブのギターさばきに、心身さばかれ溺れた、私にとって、錠がかかった箱に入った特別な劇薬は、彼の音楽だ
久しぶりに、川上弘美の「溺れる」を読んでみたくなった

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