「冬嫌い」「寒いの嫌い」と公言してはばからない私ですが、秋冬の食材や料理は大好き。
特に、ことことと時間をかけて煮込む料理には、根拠なきロマンを感じます。ポトフやカスレ、グーラッシュ、ボルシチ、参鶏湯、おでんなど、国を問わず、その名を聞くだけでなぜか憧れのような気持ちを抱くのです。
「寒いからねぇ」と、ひとりごちては鍋を引っ張り出していそいそと煮込む、冬の私のお楽しみレシピをご紹介します。
■チキンの白ワイン煮込み くたくた春菊ソース
・材料(2人分)
【煮込み】
鶏もも肉 1枚(300g)
玉ねぎ 1/4個(40g)
セロリ 10㎝(50g)
白ワイン 150cc
塩 適量
【ソース】
春菊 40g
ニンニク 1片
アンチョビフィレ 2枚(5g)
オリーブオイル 適量
レモン汁 適量
バゲット お好みで
◀Let’s cook!
①玉ねぎとセロリはみじん切り、鶏もも肉はひと口大に切る。
鍋にオイルをひいて中火にかけ、玉ねぎとセロリを入れて、塩少々で炒める。
②玉ねぎとセロリが透き通って香りが立ってきたら、鶏もも肉を入れてさらに炒める。
肉の色が白く変わったら、白ワインを入れて強火にする。沸騰したら、肉がかくれるくらいの水を入れる。
沸いたらアクをとって弱火にし、肉がほろりとやわらかくなるまで50~60分くらい煮込む。
(スープが肉の高さの半分くらいの量になるまで)
③ソースを作る。
ざく切りにした春菊と、つぶして皮と芯を取ったニンニクを鍋に入れ、ひたひたの水を加えて弱火で茹でる。春菊の茎が指でつぶせるくらいまでくたくたに茹でたら、ざるに上げて冷ます。
ニンニクも一緒に絞って水を切り、アンチョビとまな板にのせて、ペースト状になるまで包丁でたたく。
レモン汁少々を加えてオリーブオイルで少しのばし、必要であれば塩で調味する。
④煮込んだ肉を盛り付け、ソースを添えてできあがり。
ソースと一緒に、バゲットにのせていただきます。
実はこれ、「ランプレドット」というイタリア・フィレンツェのもつ煮に憧れて、豚白モツで作っていたもの。
(本場では牛モツのギアラを使うようです)
ご紹介するにあたって豚白モツを探したのですがなかなか出会えず。あっても1㎏くらいの大容量のものばかりで入手しづらくなっているようなので、今回は鶏もも肉で作ってみました。
(ちょっと前まで、他の肉と同様にトレーにパックされて売っていたんだけどな…)
鶏バージョン、スープも鶏白湯的にとてもおいしく仕上がって、これもまたお気に入りになりました。
もし豚白モツで作る場合は、
・内側の白い脂肪を外す
・一度茹でこぼす
という下処理をしてから煮込み始めると、臭みなく食べやすい仕上がりになります。
ソースは、本場ではイタリアンパセリやケッパー、ビネガーなどで作る「サルサベルデ」を添えるのですが、それをくったくたに茹でた春菊で、完全に自分好みに引き寄せて作ったもの。
ジェノベーゼにも近いので、粉チーズを加えてパスタソースにするのもおいしいです。
煮込みのロマン
凍えるような寒さの日、外出を控えて編み物や繕い物などの家のことをやりながら、ことこと煮込んで時々お世話をして育てる。そんな“童話の一場面”みたいな煮込みのイメージにロマンを感じているんだろうなと、自己分析をしてみています。
が、料理はするくせに裁縫方面がまるっきり苦手なので、私の煮込みの世界観はいつまでも実現しないままです。
残念。