へとへとに疲れちゃったら、煮込み料理ことこと。

「料理すること」って、へとへとに疲れた心を癒す作用もあるようで。

「無心にひたすらせん切りするのは、瞑想に近い」と教えてくれた友人もいるし、
私自身も、仕事から帰った深夜にパン生地を捏ねて焼くという奇行を繰り返した時期がありました。
(あの頃、パン生地を叩きつける音で迷惑をかけた家族よ、すまん)

疲れが溜まっているなぁと感じる週末や、「寒い朝だけど、休みだから外出しなくていい!最高だ!」なんて日は、家にこもってじっくりと煮込み料理を作るというのもいい選択だと思います。

ゆらゆらと揺れる水面から湯気がのぼる鍋の様子を時々うかがいながら、買ったまま置いていた本などを読みつつのんびり過ごすのは、なかなかによい時間です。

そんな煮込み料理
私がこれまでに作ってきたものを、材料別にポイントを添えながらまとめてみます。
(画像キャプションのメニュー名にリンクがあるので、ご興味あれば飛んでみてください)

 

■鶏手羽元

煮込みを作ろうとする時、もっとも気軽に使える材料は鶏のもも肉や手羽。多少火を通し過ぎても硬くなりにくい上に、出汁がよく出る煮込み向きの食材です。
特に骨付きの肉はいい出汁が出るので、手羽元はよく使います。

手羽元と蓮根の白ワイン煮。
煮込んだ蓮根のほくほくした食感も楽しい。

 

手羽元と大根、ごぼうの豆板醤煮込み。
ごぼうも煮込むとほくほく。

 

手羽元では、こんな参鶏湯も作ったりしています。

 

■豚肉

前日に買って少し下ごしらえする必要はありますが、塩豚にして煮込むのがおすすめ。
塩豚とは、肉の重量の1%くらいの塩と砂糖少々を全体にすり込み、ぴっちりラップで包んで一晩以上置いたもの。
翌日以降、他の具材と煮込むだけで、ごろっと大きい肉もやわらかくいただけるごちそうになります。

豚肩ロースの塊を使うことが多いですが、骨付きスペアリブもいいスープが出るのでお気に入り。

塩豚の煮込み キャベツとレンズ豆と。
乾物のレンズ豆は、水で戻さずにそのまま煮て食べられる便利な食材です。

 

塩スペアリブのポトフ。
スペアリブに合わせて、野菜もごろっと大きくカット。

 

豚肩ロースで作った塩豚は、煮込むだけでなく、少しずつ切り出して炒めたり焼いたりしてもやわらかくいただけます。
切り出した断面に、あらためて塩と砂糖少々をすり込んでおくことで、日持ちさせることができるので(冷蔵庫で5日間ほど)、安い豚肩ロースの塊を見つけたら、とりあえず買って塩豚にする習性が身についております。

 

■蛸(たこ)

自分で蛸を煮込んだことがあるという方は、そう多くないのかな。
スーパーで手に入る茹で蛸でできるのですが、なにせやわらかくなるまで、長いと60分くらい時間がかかるので。
そのかわり、出る出汁はもちろんやわらかな食感は、自宅で食べられることにちょっとした感動を覚えるようなおいしさです。

 

煮込み料理をしていると、せわしなく過ごした時間の流れがゆっくりと調整されていくような気持ちになります。
そんなおだやかな気持ちで、キッチンから広がる香りを深呼吸で楽しんでいると、なんとも贅沢な時間の過ごし方だなぁと、一人悦に入ったりして。

自分を癒す方法は、多く持っていた方が豊か。
「煮込み料理はセラピーだ」という、料理好きの私からの少し大げさな提案です。

 

 

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Fumiyoshi

SHINGO KURONO

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