『金継ぎ』が継ぎ合わせる、モノの命。

『金継ぎ』を初めて施してみた。

キッチンでは、日々いろんな事件が起こる。

気持ちに余裕がなく、周りがよく見えてない時だったり、

ぼーっとしてたりして『その次』の展開を予想できない時に起こる。

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二つのモノの話。
ぼくは、東屋の『丸急須(常滑焼)』の色や形が好きで、長年愛用している。

ただ、その“長年”の中、1代目は、ほぼ修復が不可能なくらいに割れてしまった。

同じ丸急須の2代目は、取手部分が何かの弾みでキッチンの台に打ち付けられ、無残にも割れてしまった。そこから、数ヶ月、実家から持ち帰ってきた『代打・常滑焼』で急場をしのいできたが、もうそろそろ…とばかりに、ふだんの自分が“気になってきた”ので、5月のGWで帰省したタイミングでお直しに出した。

もう一つは、食器。

ずっと憧れがあってメルカリで見つけて購入した、『ウェッジウッドのサムライ』の『カップ&ソーサー』だ。到着した時にはすでに、ペアの一つのソーサーだけ、なぜか真っ二つに割れていた。

(交渉の結果、メルカリの補填となった。)

どうしても諦めきれずにこちらもお直しに出した。

金継ぎ修繕を得意とする、会津『美工堂』

我が会津のお家芸、『金継ぎ修繕』を得意とする、『美工堂』さん。

漆の商品も多数扱っており、近年はますますラインアップが充実して、会津に帰る際は必ずいつも寄っている素敵なお店。

モノは直接持ち込んで、相談して預けた。

1ヶ月程度で、その子たちが、すばらしい出来上がりで、かえってきた!

また、一緒に時を過ごせるのが本当に嬉しいし、こういう時に頼りになるお店が近い存在であると、すぐ相談できていいなと思った。これからも、大事なものを長く使う精神は持ち続けたいね。

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『いいもの』を、吟味して買う。

ぼくの基本姿勢としては、そう。

ただ逆に、『ピンときたもの』を、いきおいで買うこともある。しばらく使いながら、じぶんがものに追いついたり、逆にものがじぶんに寄り添ってきたりもする。

ちょっとだけむつかしいんだけど、少しだけ『今の自分』から背伸びしたものの方が、買ってからのじぶんと、ものとの『関係の伸びしろ』がありそうな気がしている。

そのくらいの愛着のあるものは、少しくらい欠けても、何とかして使いたいと思えるし、
修理にかかる手間とかお金よりも、また一緒に過ごせることの方がうれしかったら、そうする。

仮に半額程度で新しく同じものを買って、またゼロから『モノとの関係』を作っていくのもいいと思うけど、今までのあんな時やこんな時…に自分と共に在った『その関係』っていうのは、そのモノにしか感じられないだろうと思う。(ぼくだけ、、、?)

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身の回りが、そういう『大切な関係性』のものに囲まれてくると、その分ふだんの手入れはたいへんになる。置き場も、子供の手に届かない場所に置いたり、地震などで倒れて割れたりしないように慎重に置き場を探す。

ふだんのちょっと特別な気分の時にそれを取り出して眺めたり、実際に珈琲を淹れたりする。自分が好きなものが目に入り、肌に触れるものことで、心がしゃんとし、心地がよくなる。

ものを選ぶ時にものすごい『時間』と『労力』が必要になる。いままでそれは性格上仕方のない『コスト』なんだと割り切って生活を送ってきた。実際に、『いいもの』は入手するにも高価な場合が多い。もちろん、高いものだけではないんだけどね。

ただ、少しずつ、本当に少しずつなんだけど、その『コスト』と感じる部分を、自分がふだんの生活で感じる『心地よさ』の部分が、上回ってくることが増えた。

『コスト』って、本当はなんなんだろう。

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※『note』の方には、『珈琲屋開業』へ向けた四方山話をまとめたマガジン『珈琲考。』を作っています。もし、これからお店をやりたいとか、事業を考えているという方には、一緒に考えるきっかけを主宰できたらいいなと考えています。

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DAISUKE OGAWA|小川 大介

1985年生まれ。福島県会津若松出身。
趣味は仕事と子育て。何につけてもaizulover
主なテーマは、日本酒、工芸、本、コーヒーなど、
身の回りの愛に溢れたものを。
好きなお酒は会津娘。会津の広報マンとして故郷凱旋が目標。
『地元』が好きな人と、繋がりたい。

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