ホテル会社でクリエイティブの仕事をはじめた理由【ホテルとお酒 Vol.07】

こんばんは。HOTEL SHE, KYOTOの花岡です。

前回記事「ホテル会社でクリエイティブの仕事をはじめた理由【ホテルとお酒 Vol.06】」の続きです。

本日は今私が取り組んでいるホテルクリエイティブの仕事について、またそのプロジェクトが生まれたきっかけについてお話しようと思います。

 

ホテルで記念日を過ごす人たち

突然ですが、『ホテル』という言葉を聞いてどのようなイメージを抱きますか?

ふかふかのベッドや豪華な食事、大きなお風呂でしょうか。とにかく非日常な体験ができる場所、それがホテルなのではないでしょうか。

私もHOTEL SHE, KYOTOで働き始めるまでは上記のようなイメージだったのですが、実際に自分がホテルで働き始めてから、ホテルに対するイメージも少しずつ変わってきました。

少し話が変わりますが、HOTEL SHE, KYOTOには『アニバーサリープラン』という宿泊プランがあります。

名前の通り、その日誕生日だったり交際記念日だったり何かしらの”アニバーサリー”を祝う方々に大変好評をいただいているプランになります。

旅先で友人の誕生日をお祝いしたいけど大きめのプレゼントを持ち歩いたり、急なサプライズをバレずに仕込むのは大変だな〜!!という方のために、私たちホテルスタッフがお手伝いさせていただくプランなのです。

例えばお部屋にドライフラワーやパーティライトで飾り付けをしたり、
ケーキをサプライズでお部屋にお持ちしたり、

旅先でのサプライズが成功するよう、お客様と一緒になって全力でお祝いさせていただいております。

 

いくつもの物語が生まれる場所

当の私も半年ほど前まではホテルフロントに立ってお客様をお迎えしていましたので、アニバーサリープランの飾り付けやケーキのお祝いを何度も担当させていただきました。

その度に感じていたのが「ホテルってたくさんの魅力的な物語が集まる場所だなぁ」ということ。普通にホテルに滞在していると目に見えないけれど、ホテルスタッフだからこそ感じられること。その人だけのとびっきりの笑顔が生まれて、チェックイン時とは違った気持ちでチェックアウトされていく様子。

ホテルが様々な名作映画の舞台に選ばれるように、かけがえのない群像劇が生まれる。これこそがホテルの真の魅力なのでは…!と思うようになりました。

ただ、当たり前ではあるのですが、この感覚はホテルスタッフ視点のもであり、一般のお客様に感じていただくことは難しい。

なので、そんな物語を可視化してお客様にも体験頂く、そんな物語付き宿泊プランをはじめました。

 

物語付きの宿泊プラン

コロナ渦でずっとオンラインでやっていたHOTEL SHE, の物語付き宿泊プランこと『泊まれる演劇』。ついに8月からソーシャルディスタンスを保ちつつ一ヶ月というロングランで実施されました。

この夏の間はHOTEL SHE, KYOTOの営業はおこなわず、架空のモーテル『MOTEL ANEMONE』としてお客様を迎え入れます。

 

ホテルで提供している紙ナプキンから客室案内まで、全てデザインを一新し、現実と仮想の境界が曖昧な世界。

通常の舞台のように開演/閉演を明確に設けず、チェックインしてからチェックアウトまで、一つの物語の中に滞在しているような不思議な感覚。

プライベートとパブリックな空間が同時に成り立っているホテルの特性を活かした演出。

ネタバレになるため詳しくは書けませんが、物語、空間演出、音楽、飲食、デザインなど、様々な分野がホテルという場を中心に融合し、その結果誰もが体験したことのない一つの総合芸術作品となりました。

 

もちろんこのコロナ渦で行きたくても行けないお客様がたくさんいらっしゃることは悲しいことですが、もしお越しいただいた際には、この閉塞感のある日常のモヤモヤを少しでも和らげるような、温かさと手触り感、そして”久しぶりの冒険旅行”をお届けできると思います。

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