マチコの知らない世界 「椅子」~後編~ #31

私マチコのオフィス、「テルミン大学」がこの春移転に伴い、椅子探しの大航海へ!

家具・インテリアショップ「リグナ」のショールームに行くと、BREWで以前連載をされていたこともあるリグナ社長の柳父豊さん と遭遇…というところまでが前回までのお話でした。

前編の記事はこちら

今回は、現在BREWで連載をされているリグナの村野友明さんから教えていただいた、「椅子」の世界についてご紹介します。

「家具のことならなんでも、村野に聞いてください!」

そう言って、柳父さんはオフィスに戻られました。

リグナの村野さんのブログも、ええ、もちろん読んでおります。

「気軽なインテリアのレベルアップ」シリーズも拝見しました。
「黄金比」もちろん知りませんでした。思いがけず相談に乗っていただけるなんて!

今日お会いできたご縁に、すっかり嬉しくなり、ここぞとばかりに質問させていただきました。

初めてのダイニングチェアー選び

まず、わたくしマチコ、実家を出て以来ダイニングはちゃぶ台でした。よって、初めてダイニングチェアーというものを買います。完全なる椅子素人です。

そして、長く愛用したいから、これがもう最初で最後の椅子なんです!!お気に入りを見つけたいんです!!

まずは、さっき気になっていた椅子についていろいろ教えていただきました。

え!? 座面が自分で外せるんですか!工場に送らなくていいの?

そしてカバーをはずして洗濯できるんだそうです。これは嬉しい!

そして、この椅子のデザインのルーツについて、更に、そもそもの「椅子の選び方」についても教えていただきました。

ここで再び天地がひっくり返ります!

「ダイニングの椅子は全部同じじゃなくていい」

ええーーーー!?そうなんですか!? 考えてみたこともありませんでした!

「身長も体形もバラバラの家族、それぞれ座り心地のいい椅子は違うはず」

なるほど!!その通りだ・・・。そこから、知らなかった椅子の世界の扉が次々と開けられていくのです。ふふふふふ。

「椅子は人を表わすもの。不在の時は椅子がその人の代わりの存在」

確かに、椅子って人の存在感を感じますね。あんまり深く考えたことなかったけど。

座っているときにどう見えるか、正面だけでなく、横から後ろから最も美しく見える椅子を。

そして、座っていないときにも美しい椅子。

「例えばこれなんか、朝日が当たったときに床に出る影が最高ですよ」

・・・・! な、なんですってーー!!

影、ノーマークでした・・・。もう完全に着眼点が別次元!

さすがとしか言いようがありません。どこへ行っても椅子やテーブルがあるこの世界、村野さんの目には一体どんな風に映っているの!?

そうなってくるともう、村野さんの選んだダイニングセットが気になって仕方がないではありませんか。

そして、聞いてみたところ、村野さんのお家のダイニングは「すべてアンティークにしました」とのこと。

・・・?なぜ?もう止まらなくなりつつあります。

目の前のステキな家具を、自社の商品だからという次元ではなく、実感のこもった「おすすめ」をいろいろ聞かせて下さるのに、それよりもアンティークを選ぶ理由って何ですか?と思ったままを聞いてみました。

「アンティークを選ぶ理由は、自分でリペアしたいから」

なるほどー!これには唸りました。もうこの日のすべてがそうでしたが、想像を絶する、まさに「知らない世界」の答えが返ってきました。家具愛ですね。

私が日々あちこちで無意識に椅子に座っている間にも、村野さんは、椅子の脚、座面、背もたれ、そのデザインや歴史、木材、パーツの微妙な角度、その1つ1つに並々ならぬ愛を持っていらっしゃることがよくわかりました。

以前はショールームで接客をされていたこともあるという村野さん。

「ここは君たちがお客様を楽しませるテーマパークだ」と専務に言われていたのだとか。

確かに!あれはもうテーマパークでしたよ!! 村野さんナビゲートのスペースマウンテンに5回連続で乗せていただいたようなワクワク感、スペシャル感、お腹いっぱい感、そして足ガクガクな感じ。

選び方を学び、お気に入りも2つでてきてしまい、もう天地がひっくり返りすぎて、その日は椅子を決められず、ただただ大興奮でショールームを出ようとしたとき、冒頭でオフィスに戻り、その後ランチに出かけ、帰ってきた柳父さんにバッタリ。なんと、わたくしまだ居ました~

たぶん1時間以上にわたり、夢の国“椅子テーマパーク”に滞在させていただいてしまったのでした。

村野さん、ありがとうございました!!

□ ANOTHER STORY

SHINGO KURONO

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