去年のムダな出費5位を思い出そう

こんにちは! 楽器店を3店舗経営している、ケルトの笛吹きのhataoです。この連載では、私のようにスモール・ビジネスを運営する上での経験や学びについてお話しています。

先日、確定申告の提出が終わりました。フリーランスや自営業の皆さんはお疲れさまでした。

確定申告は面倒くさいものですが、会社員など給与所得者には得られない、ありがたい学びがあります。それは1年のお金の流れを見直して、ムダな出費を反省する機会になるということです。

給与所得者は経費として認められるものが限られているので、あまり自分の出費について振り返る機会はないでしょう。

一方で自営業者は、出費を経費に計上できるかどうかやコスト意識を常に考えながらお金を使っているので、自然と出費にシビアになるでしょう。皆さんは、どんな出費がムダでしたか? 恥ずかしながら私のムダ使いをご紹介します。

個人的に去年ムダだった出費5選

5位 利用しなかったサブスク課金 1,5万円

皆さんは毎月サブスクにいくら支払っていますか?

私はEvernote、YouTubeプレミアム、Amazonプライム、Kindleなどで4,000円くらいかと思います。

去年はステイホーム期間を利用してたくさん本を読もうと思い、Kindleの読み放題に加入しました。しかし読書の習慣はなかなか定着せず、半年くらいは読まずに放置しており、加入していたことすら忘れていました。

他にも流行りのオンライン・サロンに加入してみたのですが、使い方が良くわからないまま数ヶ月放置してしまいました。

サブスクはクレジットカードから自動引落されるため、課金していることを意識させずに確実に集金する巧妙な方法です。皆さんも利用していないサブスクがないかどうか、ときどきチェックしてみてください。

4位 海外ネットショップの詐欺被害 5万円

当店の業務で楽器の輸入代行を行っているのですが、お客様から注文を受けて発注したアメリカの楽器店が詐欺業者でした。ホームページで決済後に販売店から欠品によりキャンセルの連絡が入り、クレジットカードの決済を取り消したとのことでしたが、結局は取り消されていませんでした。
ネットで調べると、この楽器店の評判は非常に悪く、ひどい思いをしたというクレームが多数書き込まれていました。

カード会社、消費者相談センターなど各方面に連絡を取りましたが返金されず、泣き寝入りとなりました。取引のない店から注文する際にはカード決済する前に店についてよく調べるべきでした。

3位 すぐに解約したポケットwifi 約8万円

私は山間部に小屋を買って、都市との二重生活をしています。昨年はコロナウイルスの影響で都市部での仕事がなくなったため、山小屋に生活拠点を移そうと思い、仕事ができるようにポケットwifiを買いました。

ポケットwifiは旅行中やカフェなどでも仕事ができて便利だし、月額4000円程度だったのでそれほど負担にはならないと思ったためです。

誤算だったのは、自宅で電波が受信できなかったこと。そのため車で10分の温泉の駐車場まで運転して、毎日車の中で作業をするハメになりました。

結局山小屋にネット回線を引いて、ポケットwifiを半年ほどで解約。登録料や違約金も含めて8万円ほどの出費となりました。下調べをよくせずに契約したり買い物してしまわないようにと学びました。

2位 騙されて買った航空券チケット 8万円

これは特殊なケースです。

去年知人でもない人から、私が面識のある海外の音楽家の招聘依頼をもちかけられ、公演制作の仕事として引き受けました。アーティスト来日用の格安航空券8万円を私が立て替えて支払ったタイミングでコロナで飛行機が飛ばなくなり、航空券を手配した海外サイトもシャットダウン。結局8万円は返金されず、私に依頼した人とは連絡がつかなくなりました。

結果的に騙されたような形となり今だにすっきりしませんが、今後このような依頼があったときにはクライアントと契約書を交わす、事前にお金を受け取っておくなど、どう転んでも自分が損をしないように仕事の手順を改めないといけないと学んだ出来事です。

1位 多く支払った税金  数百万円……

昨年一番金額が大きく、ムダだったのはなんと言っても所得税です。

これまでは期末在庫高が所得税に与える影響を知らず、去年はひたすら在庫を積み上げてしまいました。商品点数が多いほうがお客様が喜び、よく売れるだろうと考えたからです。

しかし決算を終えて税理士に指摘されて初めて気が付きました。期末在庫はそのまま課税所得に反映されるのだと。そのせいで、実際の所得よりも遥かに多く課税所得が計算されてしまい、これまで最高額の所得税を納税することとなりました。だから街のお店は歳末セールをするのですね……。無知は損です。

課税所得が高いことの唯一のメリットは婚活で有利になるということだけでしょう(!?)。今年は合法的な節税対策をしっかりしなければならないと学びました。

ムダ使いを本当のムダに終わらせないために

以上、個人的な昨年のムダをご紹介しました。読者の皆さんも昨年のムダな出費のトップ5を思い出してみてください。

派手にビジネスをしている方にとってみれば、痛くも痒くもないつまらない出費かもしれません。しかし、何をムダに思うかは人ぞれぞれ。

どれも、ちょっと考えれば支払わなくて済んだお金です。人生に、このようなムダがなければ貯金額はどれほど増えていたでしょうか。しかし私はムダにお金を失うことそのものは悪くはないと考えています。未経験のビジネスを行う上で、失敗は避けられないからです。失ったのなら、そんな金額は忘れられるほど圧倒的にお金を稼いだらよいのです。よく言われますが、大事なことは失敗から学び、二度と繰り返さないことです。

お金を損したことは思い出したくもない辛い経験です。しかし確定申告で一年のお金の流れを見れば嫌でも思い出すでしょう。その時、こんな思いは二度としないのだと心に刻むのか、振り返りもせず早く忘れてしまおうと思うのか。

そこがビジネスで失敗する人と成功する人を分けるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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