SHINGO KURONO

1985年生まれ。2006年フランスへ渡りデザインを学ぶ。帰国後国内のデザイン事務所で経験を積み、2015年独立、デザインプロジェクト humar.(ユーモア) に参加。プロダクト、グラフィック、WEBデザインなどジャンルレスにデザイン活動をしている。作る側とそれを使う側の新しいコミュニケーションを模索するTHE HOTEL LINKSや、お茶ブランドTheThéを運営。 http://www.shingokurono.com http://humar.co http://www.thehotellinks.co http://the2.co

ケメックスのコーヒーメーカー

池ノ上の線路沿いの2階住んでいたことがあった。
少し周りの土地よりも低くなった、ちょっとした集落のようになっていて、その集落の真ん中には公園があった。
線路は土手になっていて、その2階の窓からは線路の向こうの景色がよく見えた。
毎年春になると、土手にはきれいな菜の花が咲いた。

よく、テレビなんかで上京して初めて住んだ家を紹介して「あぁ懐かしいなぁ、あの頃は金がなくて草食っていた」なんてことをやっているけど、僕は庭に生えたびわを食べていた。(大家さんすみませんでした。)

いまでも近くに行ったら見に行ってしまうことがある。
誰にでもそういうものはあると思う。

まだその家に住んでいた時にもらったケメックスのコーヒーメーカーが割れた。
東京に出てきたての時に、渋谷のロフトかなんかで見つけて、おしゃれだなぁ、こんなんでコーヒー淹れてみたいなぁと思っていた。
もう8年くらい使っていたことになる。

思えばいつでも、ガラスっていうのは割れるものだった。
夜の校舎の窓ガラスを壊してまわったことはないけれど、
ガラスが割れると、その度に気持ちもそれにつられて割れたような感覚になった。

ハンドルの部分の木だけは、何に使えるかわからないけれど、とりあえず取っておこう。

Shingo Kurono

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